早いもので、重症筋無力症(MG)と脳脊髄液減少症(脳脊)の鑑別診断が始まって、この9月で2年が経ちました。
 
 
重症筋無力症で病院にかかるようになってからは2年9ヵ月です。
 
 
私のブログは、MGと脳脊の鑑別診断から始まっていますが、
 
 
ブログの記事を時系列で繋げ直しても、MGの初期治療と鑑別診断の部分、およそ6ヵ月分の記録が抜け落ちています。
 
 
その6ヵ月間は、医師と医師との間で戸惑うばかりで、
 
 
その時の経験が強いトラウマになり、どうしてもブログに書くことができませんでした。
 
 
2年が経ちトラウマも晴れた?ので、特にダブルセロネガティブMG疑いで通院中の方の参考になればと、今般、ブログに記した次第です。
 
 
以前書いたブログでは、緑内障の主治医の紹介で2017年1月にA大学病院を受診したことになっていますが、A大学病院の前にもう一つ総合病院が絡んでいます。
 
 
また、その総合病院の神経眼科医はA大学病院と兼務していたので、いきなりA大学病院の神経眼科医で登場しています。
 
 
まず、時系列のおさらいです。
 
 
2016年12月~2017年1月
    神経内科医院受診
    ⇒異常無しの診断
 
2017年1月~6月 (ここが訂正部分)
    緑内障主治医の紹介状持参で総合病院受診
    ⇒MGの治療開始
  
2017年6月~7月 (今まで触れなかったところ)
    A大学病院の神経内科受診
    ⇒MG(眼筋型)の確定診断
 
2017年8月~
    脳神経外科医院受診
    ⇒脳脊の診断
 
2017年9月~12月
    脳外科医の紹介状持参でB大学病院受診
    ⇒複視についてMGと脳脊併発の診断
 
2017年12月~現在まで
    B大学病院の系列病院受診
    ⇒体症状の鑑別診断中
 
 
以前のブログと重なりますが、神経内科医院の受診から記載します。
 
 
2016年12月、味覚障害の発生、複視の悪化から内科医のすすめで神経内科医院を受診。
 
 
当時、脱力の自覚はありませんでした。
 
 
初診時に、大学病院から派遣されていた神経内科医に、眼球の動きに異常があるためMGの可能性が高いと指摘されましたが、
 
 
2週間後の院長先生の診察で、筋電図が陰性、抗AChR抗体が0.3と極々微量が存在するものの正常値の範囲内であり(陰性)、眼球の動きなどにも異常が認められないため、健康体との診断となりました。


今になって思うと、院長先生が眼球動作の異常を察知出来なかった(しなかった)可能性があると考えています。
 
 
今までの経験から、目視による眼球の動きに異常があるかい否かの判断は、医師により異なるようです。(あくまで私見です。)
 
 
2017年1月、緑内障の主治医に複視の悪化を伝えたところ、総合病院の神経眼科医への紹介状を渡され受診することに。(以前のブログではA大学病院を受診したことになっています。)
 
 
初診時の、眼球の異常な動きからMGで間違いないとの神経眼科医の診断により、プレドニン10mg/日の服用が始まりました。
 
 
多くの症例を見てきた経験豊富な神経眼科医の判断にはブレがありません。『MG特有の眼球の動きであり間違いない。』と、自信たっぷりの様子でした。
 
 
その後、服用4日目で精神的に不安定になりプレドニンを断薬。メスチノン3錠/日に変更したのは神経眼科医も誤算でした。
 
 
初診日から数ヵ月が過ぎた頃、複視の変動状況、プレドニン、メスチノンの反応などから、『いずれ本格的な治療が必要になる。』と神経眼科医より伝えられましたが、
 
 
神経内科医からは『抗体陰性のMGの診断、治療は出来ないので他の病院へ行ってほしい。』と伝えられ、同じ病院の中で板挟みの状況になりました。
 
 
少しずつ脱力が出始め、どうしようかと考えていたところ、地域医療連携なる制度を知り、
 
 
神経眼科医と相談のうえ、地域医療連携により神経眼科医が兼務しているA大学病院の神経内科を受診することになりました。
 
 
2017年6月下旬、A大学病院で下瞼の針筋電図検査で陽性反応が出たため、『入院による確定診断後、治療を開始しましょう。』と神経内科医から伝えられ、つかの間ですが安堵した覚えがあります。
 
 
しかしながら入院時の検査結果は、テンシロンテスト、アイスパックテスト、針筋電図検査のいずれもが陰性。
 
 
針筋電図は、下瞼などの一部でMG特有の反応が出るものの、脱力の程度からして反応する箇所(割合)が少ないため、総合的な判断により陰性としたとの説明を受けました。
 
 
入院中、膝カックンの歩行障害、診察・検査中の失神、腹筋の痙攣などMGでは説明の出来ない症状が出ていたため、神経内科医は困惑していました。
 
 
また、耳障りと味覚障害は封印され鑑別の対象外でした。
 
 
よくあることだと思いますが、精神科へ回されることに・・・
 
 
精神科では、脳波の検査を受けるも異常無く、精神科医が私の顔を見るなり『異常は認められません。』と断言する始末。結果、振り出しに。
 
 
『原因が判らないからと、神経内科から精神科に回される患者が多いんだよね。』と、同情とも愚痴ともとれる精神科医のセリフが今でも記憶に残っています。
 
 
脱力の原因が判らないのであれば、階段転落⇒胸椎骨折の後遺症の可能性もあると考え、脳神経外科または整形外科へ回してほしいと神経内科医にお願いしましたしたが、それも叶いませんでした。
 
 
ここで神経眼科医(A大学病院と総合病院を兼務している当時の主治医)の登場です。
 
 
カンファレンスでは、神経内科医と神経眼科医との意見が対立したそうです。
 
 
最終的には神経眼科医の意見が通り、急転直下、退院予定日の前日に眼筋型重症筋無力症(ダブルセロネガティブ)の確定診断が出ました。
 
 
確定診断までの経緯は、双方の医師から聞かされました。私のためにカンファレンス以外でも長時間議論したそうです。
 
 
神経内科医から眼筋型として免疫療法などを行っていくとの説明を受け、7月下旬、2週間の検査入院を終え一旦退院。
 
 
退院したものの体症状の原因は不明。 


また、A大学病院で眼筋型の確定診断が付いたにもかかわらず、総合病院の神経内科医は積極的な治療を行うことも無く、他の病院へ行ってほしいようなオーラを相変わらず醸し出しています。


モヤモヤしたままです。
 
 
2017年8月、階段転落時に頭を強打した影響がないかを調べてもらおうと、何のあてもなく個人開業の脳神経外科医院を受診。
 

階段転落・胸椎骨折の事実、胸椎骨折後に安静横臥期間無く受傷した日の翌日から出勤したこと、頭痛などの症状、MRミエログラフィーなどにより、脳脊髄液減少症の診断が付きました。

 
その時、脳神経外科医院、B大学病院、B大学病院の系列病院連携の臨床研究(重症筋無力症、脳脊髄液減少症および緑内障の鑑別)に進んでいくなんて想像すらしていませんでした。
 
 
臨床研究での鑑別診断では、視野欠損は緑内障、複視はMGと脳脊の両方由来でとりあえず確定していますが、
 
 
体症状はMG、脳脊、胸椎骨折の後遺症が混在しているためか、2年経った今でも鑑別に難儀しているようです。
 
 
ご参考までに、視野欠損と複視がMG・脳脊・緑内障のいずれが由来かの鑑別診断の記事は、以下のリンクからご覧ください。
 
 
 
 
 
 
 
 
少々ながくなりました。以上が、トラウマから今まで書けなかった内容です。


これ以降の経緯は過去のブログに書かれている通りです。
 
 
○○症という病名は、あくまで症状を表したもので、同じような症状でも原因は異なることもあるのではないかと考えています。(私見です)
 
 
私の複視は、臨床研究のなかで現在考えられる検査を行っていただき、MGと脳脊が併発という整理になっていますが、もしかしたら違うかもしれません。
 
 
MGは神経と筋肉の接合部に、脳脊は中枢神経に、緑内障は視神経に何かが影響して障害が出たものと理解しています。
 
 
検査方法が解っていないだけで、原因が同じかもしれません。
 
 
これからも、B大学病院中心の臨床研究に協力していこうと思います。
 
 
『ちょっとした目視では区別がつかず、経験豊富な専門医が慎重な検査を行わなければ、複視のMGと脳脊との鑑別は難しい。』との、B大学病院の神経眼科医の言葉を思い出しました。
 
 
また『診断基準とは、その基準に該当した場合は誰でも機械的に診断できるように作られているのであって、一部でも基準に該当しないからといって排除するために作られているものではない。』と複数の医師から聞かされましたが、
 
 
診断基準による検討まで至らず、入口で排除しているのではと感じることもありました。(あくまで私の経験からの私見です。)
 
 
大学病院間の垣根が無くなれば、専門医が今以上に連携できれば、医療保険のしがらみが無くなればなどと、勝手な想像をしているこの頃です。
 
 
これからも体症状の鑑別が続き、たぶん、鑑別できずにダラダラとしたブログになりそうですが、どなたかのご参考になればと、これからも拙い記事を書いていこうと思います。
 
 
長文、駄文で失礼しました。
 
 
皆様も、どうぞご自愛ください。