鑑別診断の結果を確認に、平成29年の12月上旬、B大学病院の神経眼科を受診。

 

この2週間、複視が酷く、5プリズムのフレネル膜を貼った眼鏡で矯正不能だった。


2年前が上下に4プリズムであったのが今年の夏に7プリズムになり、さらに悪化してる感じだ。

 

 

検査室でプリズム量を測定したところ、9プリズムに拡大している。今までで最も悪化している。


続いてヘスチャートの検査。これも上下に広がって見える。

 

一連の検査が終わり待合室で待っていると、診察室に呼ばれる。

 

診察室に入ると偉そうな先生が座っている。

 

複視に変化があるとの医師の指摘。

自分でも認識しており、この2週間ほど悪化していると伝える。

 

『じゃ、テンシロンするか』とのこと。

 

すぐさま検査室に移り、多くの医師に囲まれるなか、看護師さん総動員により、あっという間に心電図、左腕に血圧計、右腕に点滴が繋がれ、右手の人差し指に血中酸素量を測定する機器が装着される。

 

『いいか、行くよ』との医師の掛け声の後、一気に注入される。

 

医師、看護師が私を凝視している。

 

最初は生理食塩水なのだろうと高を括っていたが、何だか様子が変だ。

体が火照る。両方の瞼がピクピクと痙攣している。試薬を一気に入れられたようだ。

 

20秒ほどで瞼の痙攣が治まると、今度は点滴を吊るしているキャスターを押して暗室へ行けとのこと。ヘスチャート検査をするのだと言う。

 

言われるままに立ち上がりキャスターを押して歩くと、いつもより足が軽くて制御が難しい。キャスターを蹴飛ばしながらも、どうにか暗室に到着する。

 

慌ててヘスチャートを開始する。

 

今までと全く見え方が違う。上下は若干の改善だが、回旋が消えている。垂直に見える。

 

 

検査が終わり待合室で待っていると、診察室に呼ばれる。先ほどの偉い先生が笑顔で待っている。

 

まず、重症筋無力症の治療を優先し、症状が安定した段階で脳脊髄液減少症の治療を行い、それでも複視が残っている場合は眼筋の付け替え手術を行うとのこと。突然の複視の治療方針説明。

 

重症筋無力症の治療は系列病院で行うので、本日の検査結果、診療情報提供書を持って行ってほしいとのこと。待合室で待つようにとの指示。

 

突然、治療方針を伝えられて少々混乱気味。何も聞けずに待合室に向かう。

 

 


複視は重症筋無力症、体症状は脳脊髄液減少症と勝手に解釈していたが、複視は双方の疾病が影響し合って症状が出ているのか・・・

 

抗体陰性の場合、呂律、脱力などの体症状については複視と違い数値化が難しいため、鑑別診断が難しいのでは・・・


などなど、これは本当に厄介だと思った。

 

 

ほどなくして、また診察室に呼ばれる。

 

今度は違う医師がいた。

 

先ほどの疑問をぶつけてみる。

 

その医師は、複視は重症筋無力症と脳脊髄液減少症を併発していると、笑顔で答えてくれるのみ。(話が噛み合わない)



自分で言うのも何だが、臨床研究の対象として立派に役目を果たしているのだと思う。

 


一番、重症筋無力症の実績がある医師に診てもらうよう手配するので安心しなさいと、お手紙を渡される。

 



やっと治療方針が出たという安堵感を覚えつつも、これからも続くであろう鑑別診断のことを考えると、少々憂鬱な気持で帰途に就いた。