秘密
「そうか・・親友の光二君が亡くなったのか・・。
辛かったな。お前もよく頑張ったよ・・。」
川名は一志の肩にポンと手を置いた。
川名春樹。一志が小5の時、教育実習生として二人は出会った。
川名は高校時代に野球部に所属し、3年の夏に統英を破り甲子園に出場した経歴を持つ。
現在は教職免許をとり桜台中学の新米教師。
「先生・・。何でプロいかなかったん?5球団位から誘いがあったんでしょ?」一志は口を開いた。
「肩をやっちまってな。」川名は照れながら言った。
「そっかぁ・・。教師の道は成功したの?」
「バーカ。成功したに決まってんだろ。」
川名は笑いながら一志の頭を軽くはたいた。
「ははっ、現に、ここに先生として働いてるもんね。」
一志は笑いながら言葉を返した。
(ようやく笑いやがった。一志は笑顔が似合うな)
一志の笑顔は実に八日ぶりであった。
「先生は野球部顧問でしょ?ユニホーム着たり、指導したりしなくていいの?」
「俺はノックや審判しかしないよ。技術指導は滅多にしないね。
俺は個人技術で勝てるチームにはしたくない・・。
1点を必死に守ったり、取ったりするチームを作りたいんだ。
そして選手一人、一人を必要とするチームを。」
川名は自慢げに答えた。
桜台中学の地区には帝海大付属中学や私立中学といった強豪揃いの地区ながら夏の大会で準優勝した。
しかも川名は就任一年目の快挙であった。
「ウチの強さにはな秘密があるんだ。
強豪チームは大抵、すごい投手や打者がいる。
それでは強さに秘密は無く相手チームに警戒される。でも平均的なチームで勝ち進むと相手チームはどこが強いのか分からないんだよなぁ~♪警戒しようがないって訳♪」
「す・・すげぇ!先生!!マジ格好良いよ!!」
一志は感銘を受けた。
「だろ!?じゃあ特別にお前に一つ強さの秘密を教えてあげよう♪」
川名はそう言うと一志にスコアーブックを手渡した。
「どーゆー事だよ!?
最近の10試合で桜台の投手は四死球を二つしか出してないじゃないか!!」
一志は手を震わせた。
つづく
この物語はフィクションであり、人物・団体・出来事などとは一切関係ありません。
辛かったな。お前もよく頑張ったよ・・。」
川名は一志の肩にポンと手を置いた。
川名春樹。一志が小5の時、教育実習生として二人は出会った。
川名は高校時代に野球部に所属し、3年の夏に統英を破り甲子園に出場した経歴を持つ。
現在は教職免許をとり桜台中学の新米教師。
「先生・・。何でプロいかなかったん?5球団位から誘いがあったんでしょ?」一志は口を開いた。
「肩をやっちまってな。」川名は照れながら言った。
「そっかぁ・・。教師の道は成功したの?」
「バーカ。成功したに決まってんだろ。」
川名は笑いながら一志の頭を軽くはたいた。
「ははっ、現に、ここに先生として働いてるもんね。」
一志は笑いながら言葉を返した。
(ようやく笑いやがった。一志は笑顔が似合うな)
一志の笑顔は実に八日ぶりであった。
「先生は野球部顧問でしょ?ユニホーム着たり、指導したりしなくていいの?」
「俺はノックや審判しかしないよ。技術指導は滅多にしないね。
俺は個人技術で勝てるチームにはしたくない・・。
1点を必死に守ったり、取ったりするチームを作りたいんだ。
そして選手一人、一人を必要とするチームを。」
川名は自慢げに答えた。
桜台中学の地区には帝海大付属中学や私立中学といった強豪揃いの地区ながら夏の大会で準優勝した。
しかも川名は就任一年目の快挙であった。
「ウチの強さにはな秘密があるんだ。
強豪チームは大抵、すごい投手や打者がいる。
それでは強さに秘密は無く相手チームに警戒される。でも平均的なチームで勝ち進むと相手チームはどこが強いのか分からないんだよなぁ~♪警戒しようがないって訳♪」
「す・・すげぇ!先生!!マジ格好良いよ!!」
一志は感銘を受けた。
「だろ!?じゃあ特別にお前に一つ強さの秘密を教えてあげよう♪」
川名はそう言うと一志にスコアーブックを手渡した。
「どーゆー事だよ!?
最近の10試合で桜台の投手は四死球を二つしか出してないじゃないか!!」
一志は手を震わせた。
つづく
この物語はフィクションであり、人物・団体・出来事などとは一切関係ありません。
再会
「今日からこのクラスの新しい仲間になる大瀬一志君だ。この大瀬君のお父さんはな、プロの・・」
「先生いいです!言わないでください・・。
みなさん宜しくお願いします。」
一志はさらりと挨拶をして席に座った。
「入学おめでとう♪」
隣の席の女の子が一志に声を掛けてきた。
「あ・ありがとう・・・・・・ん!?ゆき・・か?」
「正解☆カズ君久しぶり。」
彼女は水木ゆき。
一志と幼なじみ。小学校まではいつも一緒であったがお互い中学生になったのを境に二人は会話すら出来ない日々が続いた。
「どうですか?我が桜台中学は?」
ゆきがニヤニヤしながら一志の肩を揺すってきた。
「悪くないよ。グラウンドも広いし・・水捌けもよさそうだし。」
一志はそう答えた。
「あはは☆相変わらず野球バカねぇ。」
ゆきはそう言うと、一枚のメモを一志の机に置いた。
「あたしのアドと電話番だからぁ☆」
ゆきの顔が少し赤らんだ。
「ああ・・サンキュ・・」一志はメモを財布のカードケースに入れた。
(ゆき少し大人っぽくなったな・・)
一志は背も高くルックスも良かったので、すぐクラスの人気者となった。
放課後。一志は様々な部活見学をするまでも無く。野球部の練習を観に行った。
レベル的には普通といった感じ。
3年生は引退したのか人数は20人程であった。
(このチームで統英を倒せるのかなぁ・・)
すると・・。
「よーしマシン打ちするぞ!!2年15本、1年10本~。」
キャプテンらしき部員が声を掛けた・・。
部員達は学年関係なく手際良くピッチングマシーンの準備をセットした。
(2分そこらでセットしやがった・・。統英の雑用でも3分が限界なのに・・)
「驚いたかい?大瀬一志君。」
一志は後ろを振り向くと若々しい青年がいた。
「川名先生!?」
つづく
この物語はフィクションであり、人物・団体・出来事などとは一切関係ありません。
「先生いいです!言わないでください・・。
みなさん宜しくお願いします。」
一志はさらりと挨拶をして席に座った。
「入学おめでとう♪」
隣の席の女の子が一志に声を掛けてきた。
「あ・ありがとう・・・・・・ん!?ゆき・・か?」
「正解☆カズ君久しぶり。」
彼女は水木ゆき。
一志と幼なじみ。小学校まではいつも一緒であったがお互い中学生になったのを境に二人は会話すら出来ない日々が続いた。
「どうですか?我が桜台中学は?」
ゆきがニヤニヤしながら一志の肩を揺すってきた。
「悪くないよ。グラウンドも広いし・・水捌けもよさそうだし。」
一志はそう答えた。
「あはは☆相変わらず野球バカねぇ。」
ゆきはそう言うと、一枚のメモを一志の机に置いた。
「あたしのアドと電話番だからぁ☆」
ゆきの顔が少し赤らんだ。
「ああ・・サンキュ・・」一志はメモを財布のカードケースに入れた。
(ゆき少し大人っぽくなったな・・)
一志は背も高くルックスも良かったので、すぐクラスの人気者となった。
放課後。一志は様々な部活見学をするまでも無く。野球部の練習を観に行った。
レベル的には普通といった感じ。
3年生は引退したのか人数は20人程であった。
(このチームで統英を倒せるのかなぁ・・)
すると・・。
「よーしマシン打ちするぞ!!2年15本、1年10本~。」
キャプテンらしき部員が声を掛けた・・。
部員達は学年関係なく手際良くピッチングマシーンの準備をセットした。
(2分そこらでセットしやがった・・。統英の雑用でも3分が限界なのに・・)
「驚いたかい?大瀬一志君。」
一志は後ろを振り向くと若々しい青年がいた。
「川名先生!?」
つづく
この物語はフィクションであり、人物・団体・出来事などとは一切関係ありません。
新たな旅路
「大瀬君。本当に我が校を退学するのかね・・?」
「はい・・。もう決めた事ですから・・。校長先生、申し訳ありません。」
一志はあの麻永監督の一言で退学を決めた。
「良いでしょう・・。もうウチの付属高校はもちろんの事。系列高校は行けないと思ってくれたまえ。」
校長は脅す様にこう言った。
「行く気無いのでご心配無く・・。」
一志はそう言い放った。
「特待生の身分で何を言う!!この恩知らずが!!貴様!どの県に行っても甲子園には行けないぞ!!
全国にある統英系列が貴様を許さん!!」
「だから・・? 何?」 一志はボソッとつぶやき校長室を後にした。
「おい・・大瀬。何で学校を、いや!!野球部をやめるんだ。」
廊下に麻永が居た。
「あんた光二を罵倒して追い込んだろ!?」
一志はそう言い、麻永を睨み付けた。
「フンッ・・そんな事か。あいつには将来は無い!!お前は才能がある。こんな事でお前も負け犬になる必要はない・・。」
「あんた・・。自分で何言ってか分かるか!?
お前が光二を殺したんだ!あいつは1軍に上がるのを楽しみにしていたんだぞ!なのにあいつの希望をあんたが奪ったんだぞ!!」
「喝!!黙れ!!小僧!!戦うものは多少の罵倒は必要なのだ!
それを志して戦わぬ者は我が野球部にはいらんと告げたまでだ!」
「確かに麻永サンあんたの言ってる事正しいよ・・。
でも人間としてはあんた最低だよ!!」
一志はそう言い残し校舎を後にした。
一志が家に帰ると心配そうな顔した母と妹が迎えてくれた。
「あんた本当に統英をやめるの・・?」
母が不安そうに問う。
「お兄ちゃん大丈夫・・?」
妹の知佳子も口を開いた。
「あそこには俺が求めている野球は無かったよ・・。この辺の学区内中学に行くよ・・。」
一志は部屋に入るなり自分の制服を叩きつけ踏み躙った。
「俺はもうこの校章に惑わされない!!」
一志の父はプロ球団の投手コーチをしている。
名前は大瀬文丈
高校時代は統英学園で5度の甲子園出場。3度の全国優勝を果たしたのだ。
父に尊敬を持つ一志は統英の野球、施設、そして鋭い眼光をした鷹の校章に憧れていた。
しかし・・。今日という日を境にその憧れは打倒統英となる。
つづく
この物語はフィクションであり、人物・団体・出来事などとは一切関係ありません。
「はい・・。もう決めた事ですから・・。校長先生、申し訳ありません。」
一志はあの麻永監督の一言で退学を決めた。
「良いでしょう・・。もうウチの付属高校はもちろんの事。系列高校は行けないと思ってくれたまえ。」
校長は脅す様にこう言った。
「行く気無いのでご心配無く・・。」
一志はそう言い放った。
「特待生の身分で何を言う!!この恩知らずが!!貴様!どの県に行っても甲子園には行けないぞ!!
全国にある統英系列が貴様を許さん!!」
「だから・・? 何?」 一志はボソッとつぶやき校長室を後にした。
「おい・・大瀬。何で学校を、いや!!野球部をやめるんだ。」
廊下に麻永が居た。
「あんた光二を罵倒して追い込んだろ!?」
一志はそう言い、麻永を睨み付けた。
「フンッ・・そんな事か。あいつには将来は無い!!お前は才能がある。こんな事でお前も負け犬になる必要はない・・。」
「あんた・・。自分で何言ってか分かるか!?
お前が光二を殺したんだ!あいつは1軍に上がるのを楽しみにしていたんだぞ!なのにあいつの希望をあんたが奪ったんだぞ!!」
「喝!!黙れ!!小僧!!戦うものは多少の罵倒は必要なのだ!
それを志して戦わぬ者は我が野球部にはいらんと告げたまでだ!」
「確かに麻永サンあんたの言ってる事正しいよ・・。
でも人間としてはあんた最低だよ!!」
一志はそう言い残し校舎を後にした。
一志が家に帰ると心配そうな顔した母と妹が迎えてくれた。
「あんた本当に統英をやめるの・・?」
母が不安そうに問う。
「お兄ちゃん大丈夫・・?」
妹の知佳子も口を開いた。
「あそこには俺が求めている野球は無かったよ・・。この辺の学区内中学に行くよ・・。」
一志は部屋に入るなり自分の制服を叩きつけ踏み躙った。
「俺はもうこの校章に惑わされない!!」
一志の父はプロ球団の投手コーチをしている。
名前は大瀬文丈
高校時代は統英学園で5度の甲子園出場。3度の全国優勝を果たしたのだ。
父に尊敬を持つ一志は統英の野球、施設、そして鋭い眼光をした鷹の校章に憧れていた。
しかし・・。今日という日を境にその憧れは打倒統英となる。
つづく
この物語はフィクションであり、人物・団体・出来事などとは一切関係ありません。