はじめての方、ようこそ。再来、応援してくださっている方にありがとうございます。ハクジュと申します。集団ストーカー被害記録と、趣味のファンタジーといろんなジャンル書いてます。ご興味のある方はこちら。

ファンタジー過去作品はこちら。お時間のない方は作詞シリーズが短くてお手頃かと思います。


 【作者近況】

一泊二日の入院中ナリ。みなさんの応援が連載途中からなくなってサビシイ……失言があったか考えましたが、ラストまで静観なさる読者様もおられるかもしれません。ブログ開始当初もこんなアクセスでした。初心に戻ってがんばります。


前回までのあらすじ。
 舞は若い人気キャスター。番組内でDV記事を扱うが、男性が加害者でも女性が加害者でも、出演者、視聴者に叩かれるのは必ず女性だった。男性はおろか、女性自身が女性加害者、被害者を否定する。
 天使のラディが舞の応援にやって来たが、舞は番組出演者全員から「怪物(女性)の記事を読め」と迫られる。

舞台・・・視聴者参加型番組、情報クローズアップ撮影現場。

登場人物
※舞・・・人気キャスター。
※ラディ・・・青年天使。
※深田・・・情報クローズアップの番組プロデューサー。男性加害者のDV記事を、視聴率がとれないとして、度々カットする。



【報道とエンジェル2ー3】

 舞は誰かが自分の肩をつかむのを感じ、振り返った。深田が立っていた。彼は笑ったが、歯列は肉食獣のそれだった。
 「舞、怪物の報道をしな」
 舞は身体を振りほどいたが、逃れた所にコメンテーターが立っていた。彼が笑うとやはり歯列は肉食獣。
 「舞、怪物の報道をしな」
 コメンテーターがうねうねと身体を揺らしたかと思うと、もう彼は人間ではなかった。水っぽい漆黒で塗りかためられ、足の溶けた巨大ミーアキャットのようなものに見える。肉食獣は歯列から唾液をどろどろと垂れ流してしていた。
 「舞、怪物の報道をしな」
 舞はマイクを降りかざして肉食獣に一打を浴びせた。肉食獣は上半身まっぷたつに裂けたが、すぐに再生した。
 「舞、怪物の報道をしな」
 視聴者の席も番組裏方側も、肉食獣の群れで埋め尽くされていた。彼らは四方からずるずると舞に近づき、周辺を固めていく。

 その時だった。舞の目では確認しにくい細いものが飛んで来て、肉食獣の一体に巻き付いた。すぐ引っ張り戻す力が働き、肉食獣が飛んだーー飛んでいないものもある。もとの場所にコメンテーターが残され、彼から分離させられた肉食獣は地面に叩き落とされた。
 次の鞭が繰り出され、深田に巻き付いた。そして彼からも鞭に巻き込まれた肉食獣が分離し、地面に叩きつけられる。舞は声をあげた。
 「ラディ!」
 天使の鞭だ。舞は訊ねた。
 「これは何なの」
 「人間の中にはね、時々地底界の魔物が巣くっているんだ」
 ラディは周辺に向かって次々と鞭を繰り出し、釣りでもするかのように、肉食獣を中央ステージ上に引きずり出した。
 肉食獣はしばらく床でもんどりうったあと、ラディに警戒して一ヶ所に密集した。そして身体を溶かし合って、もっと巨大な一匹の獣になってしまう。反撃を考えているようだ。
 「ステップ・バック!」
 ラディが鞭で床を叩いて一喝。獣はビクッと震え上がった。
 「ステップ・バック! 地底界へ下がりなさい」
 (続く) 



【中間の後書き】

アクションシーン二回続きますが、書いてて厚みがなくてキツいです。多分読者様はもっとキツい。未熟者ですみません。私が書きたいのはここではなく、ラストです。ご覧くださってありがとうございます。




【アメクリップ】