続きです。
この回、それぞれの伝承の詳細を記載。
ほぼ前回と同じ内容ですが、伝承が重なってることが分かります。
☆1 媛社(ひめこそ)神社(頂いたパンフレットより)境内の由緒書より詳細。
「肥前風土記」に記されてあります。
☆1 山道(やまじ)川の西岸に荒ぶる神がおり、道行く人のうち半分を殺してしまいました。
☆2 そこで荒ぶる神が祟る理由を占うと、「我が社を造って、筑前国宗像郡の人である珂是古(かぜこ)
に祭祀を行わせよ。そうすれば、荒ぶる心は起こさない」という結果がでました。
☆3 珂是古は幡を掲げて祈祷し
「神が私の祭祀を望むならば、この幡は風に飛ばされて、神のそばに落ちよ」
といいました。
☆4 すると幡は風に飛んで筑後国御原郡の姫社の杜(もり)に落下し、再び飛んで山道川のほとりに
戻ってきました。(*戻ってきた!)
☆5 また珂是古は機織りの道具に押さえつけられる夢を見ました。
これで神の場所と、神が女神であることを知った珂是古が祭祀を行い、人々が当地を安全に通れるようになりました。ここから、この地を姫社(ひめこそ)と呼んでいます。
(神社で頂いた案内書より抜粋。☆数字は著者)
*記載されてある言葉は、ほぼ祭神に繋がる暗喩とみてよい。
(図1 地図はGoogle map)
図1の左の2(右の地図では8)の姫古曽神社の地に荒ぶる神が出たという。
しかし、他に迂回できる場所=その地の話ではない。
⇒祭神の由緒を意味する。
☆1 荒ぶる神は「命尽くし神」。
祭神はそれを”退治した者”。(下記、詳細)
☆2 筑前国宗像郡
祭神は宗像神。
☆3 幡を飛ばして神の元へ。
幡を飛ばして、神の住いを決めた伝承(神)を示唆。
神秘書の高良神=彼を示唆。(下記、詳細)
☆4 幡は筑後国御原郡の姫社に落ちて戻ってきた。
御原郡の姫社(媛社神社)と姫古曽神社の神は同じ。
☆5 機織りの道具
祭神は織姫。
< 命尽くし神 >
☆1 山道(やまじ)川の西岸に荒ぶる神がおり、道行く人のうち半分を殺した。
⇒祭神は「命尽くし神」を”退治した”者。
「命尽くし神」の伝承は、上記以外に少なくとも三つある。
☆6 荒穂神社
☆7 筑紫神社(筑後国風土記)
☆8 大根地神社
***
☆6 荒穂神社(基山の麓)
昔、木の山(基山)の東に荒ぶる神(鬼)がいて、往来の半分の人が命 を落とす「命尽くし(筑紫の名の起原)」ことがありました。
それを退治したのが五十猛神。
(境内の由緒書きより)
☆五十猛神は、境内にある「荒穂の神が投げた石は、高良大社の社殿の下にある」より、
五十猛神=高良神
☆高良神が「命尽くし神」を退治した。
☆7 筑紫神社(筑後国風土記)
祭神を筑紫の神といい、筑紫の国魂である。
(以下、筑後国風土記)
昔、こ(筑前・筑後)の国境(鞍韉盡坂(したくらつくしのさか)という険しく狭い坂)に荒ぶる神がいて通行人の半分は生き半分は死んでいた。
その数は極めて多かった。そこで「人の命尽しの神」と言った。
筑紫君、肥君らの占いによって、筑紫君等の先祖である甕依姫を祭司としてまつらせたところ、これより以降は通行人に神の被害がなくなったという。
これを持って「筑紫の神」と言う。(Wikipediaより)
*筑紫神
筑紫神=筑紫の国魂は、筑後国一之宮の高良神。
彼は神功皇后と共に異類(羽白熊鷲)を退治していた。
「命尽くし神=悪神」の方ではない。
☆6の五十猛神=高良神と
☆7の筑紫神は同じ者となる。
☆6荒穂神社と☆7筑紫神社(筑後国風土記)の神は同じであるので、同じ話。
荒ぶる神が出た「したくらつくし坂」は、冷水峠しかない(図2の右上の大根地山の麓の青丸)。
☆基山の東
☆筑前筑後の境(今の感覚では無い)
☆険しい峠
冷水峠は長崎街道であり、昔から往来にかかせない大動脈。
九州の箱根と呼ばれていた=険しい峠
(図2 地図はGoogle map)
その側にあるのが、大根地山の神功皇后の伝承。
☆8 大根地山の神功皇后
羽白熊鷲を鎮める為、大根地山の山頂で神楽を舞い、天神七代地神五代を召喚した。
彼女は高良神と異類(羽白熊鷲)を退治していた。
☆6、☆7の筑紫神、五十猛命は高良神。
よって☆6~☆8の話の舞台は同じ「冷水峠」。
同じ話が元であり、神も同じとなる。
以下の祭神は全て二柱になる。
☆6の荒穂神社
鴨大神、八幡大神、春日神、住吉神、五十猛命
宝満大神(=神功皇后、玉依姫)
(天拝山の荒穂神社*基山の荒穂神社から石が飛んできた=同神)
瓊々杵尊、八幡大神、五十猛大神、春日大神、住吉大神
宝満大神、香椎大神(=神功皇后ほか)
高良神は住吉、春日と同神(神秘書)
鴨大神は三島溝杙=三島もみぞくい(美栄井=オアシス)もオリオンの三ツ星=住吉神
☆7の筑紫神社
筑紫神(筑紫の国魂)=筑後国一之宮の高良神=白日別
玉依姫
筑後国風土記
甕依姫
☆8 大根地神社
天神七代地神五代、「稲荷神」としてスサノオ命、大市姫神。
高良神は祇園神=スサノオ命
彼は饒速日命=歳神=稲荷神
☆酷似の伝承は、神の由緒を示すことが分かる。
☆1の話が「命尽くしの神」ならば、神が同じであるはず。
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< 幡が神を示唆 >
☆3 幡を飛ばして神の元へ。
「幡を飛ばして、神の住いを決めた神」を示唆。
⇒祭神が、その神。
神秘書の高良神を示唆。(下記、詳細)
高良神が「我、住むべきところ」言われ、幡を投げる。
投げた幡が落ちた所が久留米の高良山の麓の旗碕。
そこから、上宮(高良山の方)に立ちなびいた。
(図1の右側、14から17に投げる)
高良神がおられる所は、高良山。
この旗(幡)伝承自体が、高良神を示唆するものとなる。
*八幡の神(同神)にも掛けている。
☆7 筑後国御原郡の姫社の杜に落ちて再び戻ってきた(上の地図の1辺りが御原)
二つの社(媛社と姫古曽)は同神。
⇒磐舩神=饒速日=高良神=八幡大神=住吉大神=菅原道真 (*1)
棚織神=御炊屋姫=市杵島姫
☆8 機織りの道具に押さえつけられる夢を見た=(機織りの女神だと思った)
祭神は織姫、織女神。
(二つのヒメコソ社の神)
前回の姫古曽神社の由緒書より、
織女神は市杵島姫命。
それが姫古曽神(ひめこそかみ)。
市杵島姫命(宗像神)は御炊屋姫。
*炊屋の名は豊受を意味し、籠神社から市杵島姫命に繋がる。
大神神社の御炊社=豊受
➡籠神社の豊受は、市杵島姫命。(絵馬から)
また、市杵島姫命は厳島神=女神天照(撞賢木厳御霊天疎向津姫)。
これが、瀬織津姫。
よって、
御炊屋姫=豊受=市杵島姫命 (宗像神)=姫古曽神=瀬織津姫
☆2 の「宗像」のワードがあるのは、祭神がそれであることを暗喩するもの。
高良神(住吉)は、神功皇后と異類を退治していた。
⇒「祓いの神」住吉と瀬織津姫は、それが由緒。
よって、☆1~☆5の二つのヒメコソ社の話と同じ神であると分かる。
☆高良神=饒速日=住吉神
神功皇后=御炊屋姫=瀬織津姫
となる。
( つづく )
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今更ながら始めました。
古代や神のこと、少しずつつぶやきます。
小分けなので分かりやすいかもです
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