文明批評に鋭い筆を振るった上智大学名誉教授の渡部昇一さんに、中高時代の恩師との思い出話がある。2人で散策していたある日、各地に数多ある「春日神社」の一つに行き当たった。「春日様ってどんな神様なんでしょう」▼ふとわいた疑問を、渡部青年が口にした。恩師は「アメノコヤネノミコトだよ」と即座に返したという。岩屋の中に隠れた天照大神(あまてらすおおみかみ)を外に引き出すため、天の岩戸の前で祝詞をあげた神様である。「藤原氏の先祖さ」。恩師はそう教えてもくれた▼神話と国史上の大勢力が「今も生きている形で結びついている」。
渡部さんは感慨深げに書いていた(『決定版・日本史』)。海道東征を経て、大和の地で即位した神武天皇は天照大神の子孫とされる。国の成り立ちから現代に至るまで、歴史は一本の糸でつながっている▼渡部さんの説をもう少し続けると、日本と他国の大きな違いは神話の持つ意味合いという。例えばギリシャ神話と現代のギリシャにはつながりがない。日本の場合、神代の系譜はそのまま皇室へとつながっている。いわば「特異な国」だ、と▼思えば、われわれの祖先は美しい「やまと言葉」で、神話の時代からの歩みを語り継いできた。一つ一つの史実・事件に目を凝らしたところで、国と国民の中に宿る虹のような美質は見えてこない。正しい視線の方向と距離で歴史を見る必要があるーと渡部さんは説いてもいた▼「自分は何者か」を知るよすがとして、歴史に向ける目の置き場をいま一度、確かめねばならない。われわれには誇るべき歴史がある。きょうは「建国記念の日」、日本の成り立ちを曇りのないまなざしで見つめ、美しい虹を探す一日としたいものである。
2026年2月11日[祝]
産経新聞朝刊1面 産経抄より全文掲載
今日のこの産経抄がいわんとするところと、少しずれますが、「春日神社様」、「春日様」、「春日信仰」は別の側面(大変重要なこと)も持ち合わせています。奈良の春日大社様にお伺いしますとわかります。
もう1つ、文中にもある「天の岩戸伝説」です。神話の世界随一の有名なお話しで、日本の各地にこの「天の岩戸伝説」が存在します。その「天の岩戸伝説」の全ての所在地を把握しているわけではありませんが、主要な所在地には【川】が流れています。
天の岩戸伝説、伊奘諾尊様と伊奘冉尊様の国産み神話にも【水】が関わります。
古代から続く「春日信仰」、(今熊野観音寺様の記事の中で記した)「熊野信仰」、
「建国記念」、始まり、初まり………の元が何か………
すべてのものはローマに通じる、ではありませんが、全てのものはある一つのご存在に繋がるのであり、わけても我々日の本及び日本人は地形・環境、成り立ち、歴史等あらゆる面において「ある一つのご存在」との関わり、関係性が深いです。

