読書メーター:『このミステリーがすごい!』大賞10周年記念 10分間ミステリー (宝島社文庫)
「バチスタ」海堂尊氏らを輩出してきた『このミステリーがすごい!』創設10周年記念のミステリー短編集。29名の歴代受賞者が原稿用紙10枚に執筆した。
1編につき10分弱、隙間時間にさくさくと、個性あふれる作品を一気に楽しめるのが◎。「お気に入りは…」と改めて振り返ると、「これ!」というのが残っていないのだけど、それがショートショートの良さである気も。
読書メーター:悲劇の少女アンネ 〜「アンネの日記」の筆者・感動の生涯(久米穣)
『アンネの日記』の筆者アンネ・フランクの伝記。一人称で主観的な日記とはまた異なる種の恐怖、悲しみ、やり切れなさ、それから希望とを得る。
歴史を紐解いてゆくと、太古のむかしから今現在に至るまで、迫害やホロコースト、紛争は世界のどこかで常に大小、連綿と続いていて、そのほとんどでは、異なる正義と正義が――たとえば国籍、人種、宗教、社会環境、常識――「正義」同士がぶつかり合い血を流している。
そんなこともあり、さいきん、「正義」「常識」というものについてよく考える。自分の正義や常識は、何に拠るものか? また、自分と異なる論を語るひとの正義や常識は、何に拠るものなのか?
未熟な自分が物事をより公正に、冷静に、思考するためには、とにかく「知る」「学ぶ」ことが大切。
アンネの家とアウシュビッツには、生きているうちに一度行かなければ――と改めて思う。
〝同じ日本人として〟
研究者やアスリートたちの世界的活躍に「同じ日本人として誇らしい」と思うことは、まずない。
それは彼/彼女らあるいは組織の努力だから。
しかしこうした、ハロウィンや成人式の暴徒化、バカ騒ぎを見ると「同じ日本人として恥ずかしい」と、強く感じる。
〝同じ日本人として〟。
自分が貶められたような気になっているのだろうか。
と、考えると、研究者やアスリートたちの世界的活躍も、自分は潜在的には誇らしく思っているってことに、なるのかな。
無いようで有る、帰属意識。民族意識。