朝ドラのちむどんどんが、
どうやら不評らしいですね。
シナリオが唐突だったり、
無理筋に感じたり、
登場人物たちの行動にイライラしたり。
実は、ぼくも毎日観ているのですが、
たまに首をかしげる展開もあるし、
展開に不安を覚えるときもありますが、
個人的にはけっこう楽しめているんですよ。
で、とくにお盆明けからの展開を見ていて、
ストーリーで描いている「あること」
に気づいたんです。
まあ、その「あること」は、
ぼくの勝手な思い込みかもしれないです。
でも、あなたがもし、ちむどんどんの
登場人物や展開にイライラしているなら、
ちょっとお付き合いください。
個人的に不安を感じた部分
ぼくが観ていて不安を感じたのは、
ちむどんどんの序盤でした。
放送前の番宣などでは、
ちむどんどんはコメディ色のある、
ポジティブな物語かと思っていました。
でも、いざ始まってみると、
時代背景が返還前の沖縄だったこと、
父親が早々に亡くなってしまい、
その後、生活苦の話が続いたんですよね。
その展開を観ていると、どうしても、
前作「カムカムエブリバディ」の影響で、
戦後の悲しい物語のイメージに引っ張られ、
ちむどんどんの、多分あえてそう設計した、
月曜日のフリから金曜日のオチ
という軽快な展開に、
心と理解が追いついていけなかったんですよ。
青柳和彦の理不尽なキャラ設定
主人公の暢子と結婚する青柳和彦ですが、
たぶん、視聴者の多くが、
和彦の理不尽に感じる行動を見て、
クズ認定したと思うんですよ。
前の婚約者との別れかたは、男目線でもひいたし、
そのあと速攻で伸子にプロポーズする感じも、
結婚後の選択も、
「え~・・・、その選択を今する?」
とモヤモヤすることを繰り返しているんですよね。
女性の視聴者は、
暢子の方に厳しい目を向けているようですが、
よく考えると、和彦こそ何やってるんだ!
という展開が多いんじゃないですか?
だって、お店をオープンするタイミングで、
避妊をしなかったのは和彦ですからねえ。
昭和当時の時代背景を考慮すると、
60年代から70年代のウーマンリブ運動で、
女性の社会進出が進んだと言っても、
当時の社会が押しつけた女性の役割を考えれば、
好きに生きているように見える暢子すら、
無意識に当時の常識に囚われているように見えます。
ちなみに、
姉の良子と妹の歌子も、
それぞれ押し出し方というか、
強気と弱気の差はありますけど、
戦後の女性の生き方のアップデートと社会の壁が、
それぞれの姿で描かれているように見えます。
それにしても、やっぱり、
あのタイミングで妊娠させるのはアウトだろ。
あれ?これ令和の物語じゃね?
で、ですよ?
フォンターナのオーナーと料理長の関係とか、
兄の賢秀と仕事の関係とか、
他の登場人物からもなんとなく感じるのですが、
ちむどんどんって、
沖縄返還後の昭和を舞台にして、
令和の現在を描いたドラマじゃないですか?
お店をオープンするのに妊娠した暢子と、
会社に居づらくなってフリーの記者になり、
現在は仕事がなくて我慢の時を過ごす和彦。
一攫千金を狙い、
なんども詐欺ビジネス騙される賢秀。
病気がちで仕事を続けられず、
普通に生きることすら難しいと悩みながら、
沖縄民謡でいつかレコードを出したいと夢見る、
沖縄の実家で暮らす歌子。
ついでに、
店を身勝手に辞めて自分の店を開店するも潰し、
仕事をしたくても雇ってもらえず自暴自棄になった、
元フォンターナ料理人の矢作。
それぞれの姿を見ていると、
賢秀の姿からは、
最近マルチビジネスが蔓延する大学生が浮かぶし、
歌子からは抜け出すきっかけが見つからず、
部屋から出られず苦しむニートが浮かびませんか?
矢作からだって、
会社を辞めてチャレンジしたけど失敗し、
もう一度会社で働きたいと思うんだけど、
チャレンジした経験は評価されず、
再就職もできず困窮するミドル世代が浮かびます。
そうやって浮かんでくるそれぞれの姿は、
ドラマの舞台当時にもあったのでしょうが、
同時に令和の現在の社会そのものに見えませんか?
そして、暢子と和彦の姿からも、
令和は男性が労働のメインじゃなくてもいい、
夫婦ならそれぞれが働けるときに働く。
男の肩書で結婚する時代じゃないよ。
という物語に見えてくるんですよね。
さらに言えば、8月25日の回で、
矢作がちむどんどんで働くことになって、
さっそくパパイヤの千切りを頼まれていました。
そこで、矢作は大切にしてきた包丁を洗い、
パパイヤを切り出すと、
涙を我慢しながら嬉しそうに刻むんですよね。
その矢作の姿と、
あえて雇った暢子と和彦の決断からは、
平成に蔓延した自己責任論で壊れてしまった、
お互い様や助け合いの文化ですが、
令和では取り戻してみませんか?
というメッセージが込められた物語じゃない?
と勝手にですが、そう思ったんですよ。
それは、暢子が東京に出てきてからの、
沖縄県人会との関係からも感じるんですよね。
閉塞感漂う令和の現在で、
・男女のこれからの働き方
・お互い様、助け合い
の現代らしい姿を模索しているのが、
ちむどんどんという物語じゃないのかな?
とぼくは思いながら毎日楽しみに観ています。
とか言いながら、
これから思いもよらないストーリー展開で、
頭を抱えることになるかもしれませんけどね。
さあ、明日も一緒に機嫌よくいきましょう!
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