皆さん
グテ祭り、、いやグテカーニバルをいかがお過ごしでしょうか
沢山のブロガーさんが書かれているのでここではあえて書きません😁
現実のテテとグクの余韻を楽しみつつ
物語の二人の恋の行方を見て下さいませ
前回の物語
物語の続きが始まります✨✨✨
【人生を懸ける恋とは】
テヒョンとジョングクを乗せた馬車はキム公爵家に向かって走っていた。
馬車の中ではオペラについての話で盛り上がっている。
「嫉妬や裏切りなどは実際に社交界ではよくある話だけど《諦める》という行動はなかなかないね。」
「そうですね。耳にすることといえば騙したり、搾取したりそんな話ばかりですからね。」
「諦めるどころか、我先にという考え方が蔓延しているくらいだものな。」
二人は冷ややかに笑った。
「エリザベッタは恋を諦めて玉座に戻ったけれど、我が国では逆に愛を貫く為に王位継承権を返上した王太子がいたんだ。」
「そのお話、私もチラッと聞いたことがあります。」
「僕の父上の兄、、僕にとっては伯父上に当たる方なんだけど、恋人の為に玉座には登らない決断をされたそうだ。」
「随分とドラマチックなお話ですね。」
「しかし世間一般には知られていないんだよ。お相手の事もね。伯父上も病で亡くなってしまわれているから真相をお伺いする事も出来ない。」
「しかし、腹を括われてそこまで人を愛せるなんて素晴らしい方ですね。」
「うん。僕もさっきからそれを考えていたんだ。」
テヒョンの身近な親戚の中に人生を懸けて活き抜いた人がいる。
オペラの物語に入り込んだ時にポッと頭に浮かんだのが会ったこともない伯父の話だった。
「テヒョン様は、、、どう思われたのですか?王位継承権の放棄は一般人が家督を継ぐのを断るのとはわけが違いますよね。」
「そうだな・・・。」
テヒョンはしばらく空を眺めて考えていた。
「僕は伯父上を支持したいと思う。」
「それはどうして?」
「国王になるのに相応しい資質をお持ちだと思うからだよ。」
国王に相応しい資質とは何か。
ジョングクは次の言葉を待った。
「国王には国と国民を守る責任がある。だけれど愛する人を守れない理由が王位を継ぐ事にあるとしたら・・」
言いかけて目をつぶる。ジョングクは静かにテヒョンを見つめた。
「王位を放棄することが自然の行為だったと思う。」
「難しい決断ですね。」
「うん。悩まれただろうな。でも、身近にいる大切な人を守れなければ、国民も守れないだろう?」
テヒョンは前を見据えたまま話を続ける。
「その事に気付いた伯父上は潔く決断されたのだと思う。その《決断力》が国王に相応しい資質なんだ。」
ジョングクは説得力のある説に感心した。
「なるほど・・・深いお話ですね。」
テヒョンがやっとジョングクの方を向いた。その凛とした視線にこの方こそ国王に相応しい資質が充分備わっていると感じた。
「テヒョン様・・・」
「うん?」
「もしも、、、あなた様が同じ境遇になられたらどうなさいますか?」
とても大胆な質問を投げかけた。しかしテヒョンはその問い掛けを許した。
少し間を置いておもむろに話し始める。
「何が障害になるのかってことにもよるだろうけど、僕は国民のために悩み、想う人には寄り添うよ。そしてあらゆる方法を考える。」
ここで繋いでいた手を力強く握った。
「でも、万策尽きた時は伯父上と同じ決断をするね。」
ジョングクは大胆な質問をしてしまった手前、ぎこちない笑みでテヒョンを見た。テヒョンは視線を外さないままジョングクを両手で抱き寄せた。
「国王の代わりは探せても大切な人はたった一人だけ、代わりはいないんだよ。」
この言葉を聞いて胸を突かれたジョングクは堪らず強く抱きしめ返した。
「そもそも、、、」
テヒョンは体を離して、
「僕は人生を懸けてもいいと思える人でなければ心を通わすことはしない。」
とハッキリ言った。
ジョングクはにっこり笑って繋いでいるテヒョンの手の甲に、愛おしさと敬意を込めてキスをした。
馬車の窓に細かい雪が当たり始めた。
「いよいよ降ってきたな。」
二人は座席で寄り添いながら、チラチラと落ちてくる細かい雪を眺めていた。
外を行き交う人々はコートの襟を立てて足早に歩いている。
馬車はすっかり冷え込んだ街の中を駆け抜けて、ようやくキム公爵家の宮殿の門の中に入って行った。
【サプライズを仕掛ける】
庭園を抜けて宮殿の前まで来ると入口にスミスとデイビスがコートを着て待っているのが見えた。
馬車がきっちり出迎えの二人の前に停車する。
ジョングクが先に降りると、スミスがすかさず傘を差し出した。
「お帰りなさいませジョングク様。雪が降って参りましたな、どうぞ傘を」
「こんばんはスミス殿。」
スミスから傘を受け取りテヒョンが降りてくるのを待った。
そこに二人の馬車の後ろに付いて来ていたハンスも馬車を降りて、足早にスミス達に合流した。
「テヒョン様、足元が濡れてきておりますのでお気を付け下さい。」
ジョングクが手を取り降りてきたテヒョンに傘をさした。
「お帰りなさいませ。」
スミスとデイビスが揃って主人を迎える。
「お疲れ様でございました。」
ハンスがその後に挨拶をした。
「ただいま。さすがに雪が降ると冷え込みも堪えるな。」
「ささ、お二人共御身体が冷えない内に中にお入り下さい。」
テヒョンとジョングクは早々にスミスに促され宮殿の中に入って行った。
応接の間に入ると大公が待っていた。
ジョングクが挨拶をする。
「チョン・ジョングク、テヒョン様をお送りに上がりました。」
「うん、ご苦労だった。」
「父上ただいま戻りました。」
「お帰り。チョン伯爵家のクリスマスはどうであった?」
「はい、心のこもったジョングクのもてなしでとても有意義な時間が過ごせました。」
テヒョンは振り返るとジョングクを見て頷いた。
「お前の嬉しそうな顔が見られるのが父の1番の癒やしだ。よい側近を持ったなテヒョン。」
大公は嬉しそうな顔で二人を見ていた。
「ジョングク様お夕食を召し上がっていって下さいませ。」
スミスが言うと、
「ありがとうございます。しかし、今晩はこのまま失礼致します。」
と応えた。
「遠慮はいらぬぞ。」
大公も勧める。
「大公殿下がご帰還されて最初のクリスマスでございます。是非親子水入らずでお過ごし下さいませ。」
「そうか。まぁまたすぐに・・・だな?」
と大公が言うと、
「はい。その時に。」
にこにこしながら応えてお辞儀をした。
テヒョンが不思議そうに大公とジョングクを交互に見た。
「なんだ?何があるのだ?」
テヒョンの問いには答えず満面の笑顔だけを見せた。
「ではテヒョン様そろそろ失礼致します。」
ジョングクはそう言うと大公にも、もう一礼して部屋を出る。
「テヒョン様、お寒いのでこちらで大丈夫です。」
見送りに部屋を出ようとしたテヒョンを止めた。
「ではここで・・・またな。本当に楽しかったありがとう。」
部屋の扉口で見送る。
「私もでございます。我が家にお越し頂きありがとうございました。」
名残惜しそうな表情をしてテヒョンがジョングクの袖を摘んだ。
するとその手を取られて強い力で廊下に引っ張られる。
ジョングクがそのまま胸で受け止めると、扉を背にして唇の際にキスをした。
「なんだか、、離れるのが寂しいな。」
テヒョンが胸の中で小さく呟く。
その言葉をこぼさないようにしっかり抱きしめた。
「すぐにまた会いに来ます。」
テヒョンの髪を撫でながらなだめるように語り掛けた。
二人は心の奥から湧き上がる幸福感の中にいた。
このような甘い弱音を口にする事が〈出来て〉また〈される〉ことに、お互いへの愛おしさが重なっていくように感じられるのだ。
テヒョンが不意に顔を上げて言う。
「すぐまた会いに来るって?いつ?」
子どものような物言いにジョングクは笑ってしまった。
「ジョングク様、宜しいでしょうか?」
ハンスが扉を少し開けて訊ねた。
「大丈夫だよ。」
テヒョンが扉を開いてやった。
「これは殿下、失礼致しました。」
「ジョングク様、お帰りで宜しいのでしょうか。」
「うん。雪で足元が悪くなる前に行かないと大変だ。」
「二人共気を付けてな。」
「はい、ありがとうございます。また伯爵家の方にお足をお運び下さいませ。皆が殿下のご来訪をお待ちしております。」
「ありがとう。セオドラ卿に宜しく伝えてくれ。」
「はい、かしこまりました。では。」
テヒョンはジョングクと握手をすると、ここで見送った。そして馬車が見える廊下の窓に向かい、薄っすらと積もり始めた雪の上を走っていく馬車を見届けた。
テヒョンが応接の間に戻るとデイビスが大きな手提げを持って側にきた。
「殿下、このまま直ぐに食堂へお越し下さい。大公殿下が先程裏通路から食堂へ向かわれました。」
「そうか分かった。スミスはどうしている?」
「大公殿下から御用を受けられて、食堂からは遠い場所におられるはずです。」
「よし、では参ろう!」
テヒョンはデイビスと共に急いで食堂へ向かった。
食堂へ向かう途中で大広間に立ち寄り、デイビスが持っていた手提げの中から包みを1つ取り出した。そしてそれをクリスマスツリーの根本に置いた。
「こちらで宜しいでしょうか?殿下。」
「うん。そうしたらもう1つは反対側の根本に置いてくれ。」
「はい。」
指示通り手提げからもう1つの包みを出して置いた。
「こうして見てみると我が家のツリーも美しいな。」
テヒョンが腕組みをしながら見上げて言った。
「テヒョン樣急ぎませんと。」
「おっと、そうであった、では食堂へ行こう。」
更に急ぎ足でテヒョンとデイビスは食堂へ向かった。
※ 画像お借りしました