箱根神社

一度は行かないとって思っていた。

参道へ続く階段を昇りながら、途中から参道に出ていいのかなぁ…

御利益は途中からだと、半分に減ってしまうのかなぁ…


真剣な考えながら、参道を歩き始めた。

すれ違うたくさんの人達。
カップルだったり、女性が2人で歩いていたり、家族連れだったり。

そんな中、独りで歩いているのは…

周りをみる限り私だけだった。


木々が参道の両脇にあり、木漏れ日が清々しいけど、やっぱり夏。

暑い。


初めての箱根神社。
恋愛成就の祈願をしたいが、他にもお願いしたい事があった。

全てに自信がない今の自分。

だからこそ、ここに来たかった。

なにに迷っているのか。
結論を出せない自分。

わからない自分に答えを出したかった。

けど、自分を守りたい。
傷つかない、この年齢になって傷つきたくはない。

だから全てに迷いが出てしまう。

何が幸せなのか。

ここの神社に行けば結論が出ると思っていた。

参道の途中で、手を洗いうがいをして、準備万端

長い階段を登ると、見えてきた赤い印象が強い、箱根神社。


お詣りの前にお守りを見た。
もっと効果があるお守りあればいいなぁ…

いゃ。
先ずはお詣りだよな。

二礼二拍手一礼
だったよな。

長い行列の一番後ろに並んだ。


が、
ここの神社は
お詣りのルールが違った。

焦りながらも順番を待った。

いざ自分の順番になり、お詣りした。
お詣りと言うより
お願いをした。

後ありがとうの気持ちも伝えた。

さてと、おみくじ

小吉だった。

まだ小さい幸せって事かなっ?
これからおっきい幸せになるってことかな?

前向きに考えた。

赤い建物が目に焼き付いていた。

階段を降りると小さい神社?
ここでもお詣り。

また階段降りると小さい神社。
またお詣り。

何度か繰り返し、さっき通った参道の所まで来た。

ここの階段を降りたら、駐車場近いかな?


階段を降りながら、彼って私がこの神社に行きたいって言った時、何を思ったんだろうか?

1人になれて良かった?こいつは何をお願いするの?恋愛成就の神様って知ってるの?

あぁぁぁぁ…

人の心なんてわからないよね。
解ったら神様だって。

想像もここまでいくと、妄想かなぁ。

おっと
電話しないと。

『あ~もしもし、終わったよ』
『今いく』

駐車場で待っている間、
ふと上を見上げると、木漏れ日が眩しかった。

幸せが訪れますように。

木漏れ日に深呼吸をしながらお願いした。
駐車場で旅行の荷物を積み込み、コケに植えてある観葉植物を後ろのシートの助手席側に引っ掛けて、潰れることも砂が散らばることもなくなったベストポジションに置くことも出来た。

さぁ!海に向けて出発!

走りながら、朝のお決まり事のコーヒーとスポーツ新聞を買うのに、コンビニへ寄った。

買い物係は私の仕事。

彼のコーヒーはっ?

車に残っていた空き缶で、ブラックの同じ缶コーヒーに決めたけど…

スポーツ新聞ってこんなに沢山の種類があるんだぁって知った。

んで、スポーツ新聞は…
適当に選んだ。

私の飲み物と、ガムを買い車に乗り込んだ。


彼は…
新品の地図を見ていた。

さてと…


海に向かうはずが…

箱根方面へ
出発!????


箱根って?
海だっけ?


函南

『私この漢字読めるよ!カンナミ。』
自慢気に言ったが、
『行きの車でもっ言ってたでしょ!』
『うん!だって覚えたての漢字だから』
たまたま仕事で覚えた地名。
ちょっと難しい漢字だから読める事と覚えたてホヤホヤが目の前にあって超テンションがアップ。
小学生みたいに無邪気にはしゃいだ。

あっ!三島ニトリ。
ここの店も仕事上で知っていた。
休みに入る前日にここのクレーム処理したばっかり。

うっひょい!

たまたま偶然が重なり、くだらない仕事上の事で喜んでいた。


向かう先は箱根。


山道を通りながら、箱根神社の鳥居が見えてきた。

『あっここって箱根駅伝のゴール地点じゃん』

箱根駅伝が大好きな私には、海賊船よりこの鳥居が嬉しくて嬉しくて。

あっ…
気付いてしまった。

毎年会社の友達が、姉御に幸せが来るようにと、箱根神社の縁結びの御守りを買ってきてくれる。

ふと…
お礼参りと心願成就の参拝をしたくなった。

彼と一緒で行くべきか…
1人で行くべきか…

迷ったが、
『私この神社でお参りしたいんだけど、寄っていい?』

『あぁ良いけど、俺はこの湖で釣りをみているね』

『うん。』

やっぱり一緒に行ってはくれないか…
でも縁結びの神社だし、他にもお願いしたいし、1人で行くのが一番いいと思っていたから、よしとしよう。

『じゃお参り終わったら電話して』
『うん!』

別々の道を進んだ。
結局海の方面に向かって走ろう。

魚食べたい
って理由で。

『本、きちんと返さないとね!』

『まだ読んでないから持って帰る』

『ダメでしょ!パクっちゃ』

昨日の夜借りた分厚い本二冊


部屋に戻り、チェックアウトまでの時間は残り30分になっていた。

そんな中、彼は
『今日何着ようかなぁ』
『これでいいじゃん!』
『え~』

『あっこれとこれは?バスケ部の移動着みたい』
『あ~バスケ部こんなの着ているよねぇ』

『うん!変じゃないからこれでいいじゃん!』

『嫌だ』

と言いパステルカラーのTシャツにハーフパンツのラフなスタイルに着替えた。

着ていたTシャツを私の顔に投げつけてきた。

はいはい。畳みますよ!いくらでも。

すると…

彼は
昨日のジャズフェスタの入場券の木で出来たキーホルダーを旅行かばんに付け始めた。

今までに見たことのない出来事だった。

確かにかわいらしいキーホルダーだったけど、行ってきましたよ!って証拠品みたいな物を身につけたりするのって、今まで見たことがなかった。

見たことがなかったからこそ…

嬉しかった。

お揃い。
今後きっとこのキーホルダーはお守り代わりになるに違いない。

『はい、これ!』

お金を渡された。

もちろん旅行代金は割り勘。

ただ、お酒を飲んだからの理由で彼の方がいつも多く払ってくれる。


『さてと、行くか!』

『うん!』

テレビを消し、忘れ物チェックをして部屋を出た。

フロントで会計を済ませていると…

仲居さんに
『あっ!スリッパですよ。今靴を取って参ります・』

『ぇっ』
足元を見ると

2人してスリッパのままだった。

『あはっ!すいません・お願いします。』

と言い、一応チェックアウトが終わったので、昨日から騒いでいた、コケの観葉植物を買うか2人して迷っていた。

癒やされるこの観葉植物。
育て方を説明してくれた。

が…

ちょっと…

思っていたより面倒かも
彼もそう思っていたであろう。

すると旅館の人が、育て方の紙をくれた。

読んでいると

『あっ紙貰ったの!じゃあ買って帰ろうか!』

あら、会話が夫婦みたいじゃない?

と言うわけで、2人でどっちがうまく育てられるか?って競争は無くなったが、疑問に持たれていたであろう、この2人は夫婦なのか、違うのかに疑問を増やさせたに違いないだろう。

てか、女性の一過性の話題に違いないが…

てなわけで、旅館を出発した。