駐車場で旅行の荷物を積み込み、コケに植えてある観葉植物を後ろのシートの助手席側に引っ掛けて、潰れることも砂が散らばることもなくなったベストポジションに置くことも出来た。

さぁ!海に向けて出発!

走りながら、朝のお決まり事のコーヒーとスポーツ新聞を買うのに、コンビニへ寄った。

買い物係は私の仕事。

彼のコーヒーはっ?

車に残っていた空き缶で、ブラックの同じ缶コーヒーに決めたけど…

スポーツ新聞ってこんなに沢山の種類があるんだぁって知った。

んで、スポーツ新聞は…
適当に選んだ。

私の飲み物と、ガムを買い車に乗り込んだ。


彼は…
新品の地図を見ていた。

さてと…


海に向かうはずが…

箱根方面へ
出発!????


箱根って?
海だっけ?


函南

『私この漢字読めるよ!カンナミ。』
自慢気に言ったが、
『行きの車でもっ言ってたでしょ!』
『うん!だって覚えたての漢字だから』
たまたま仕事で覚えた地名。
ちょっと難しい漢字だから読める事と覚えたてホヤホヤが目の前にあって超テンションがアップ。
小学生みたいに無邪気にはしゃいだ。

あっ!三島ニトリ。
ここの店も仕事上で知っていた。
休みに入る前日にここのクレーム処理したばっかり。

うっひょい!

たまたま偶然が重なり、くだらない仕事上の事で喜んでいた。


向かう先は箱根。


山道を通りながら、箱根神社の鳥居が見えてきた。

『あっここって箱根駅伝のゴール地点じゃん』

箱根駅伝が大好きな私には、海賊船よりこの鳥居が嬉しくて嬉しくて。

あっ…
気付いてしまった。

毎年会社の友達が、姉御に幸せが来るようにと、箱根神社の縁結びの御守りを買ってきてくれる。

ふと…
お礼参りと心願成就の参拝をしたくなった。

彼と一緒で行くべきか…
1人で行くべきか…

迷ったが、
『私この神社でお参りしたいんだけど、寄っていい?』

『あぁ良いけど、俺はこの湖で釣りをみているね』

『うん。』

やっぱり一緒に行ってはくれないか…
でも縁結びの神社だし、他にもお願いしたいし、1人で行くのが一番いいと思っていたから、よしとしよう。

『じゃお参り終わったら電話して』
『うん!』

別々の道を進んだ。