今日から11月。
これから寒くなりますが、気分も新たに。
今日の一冊。
●手紙 東野圭吾 文春文庫
- 手紙 (文春文庫)/東野 圭吾
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映画化もされた作品です。個人的には、東野作品の中でいちばん好きなものです。
おもに描かれているのは、殺された人本人ではありません。殺した人、殺した人の周りの人、殺された人の周りの人の心理描写で物語が進んでいきます。
本作品のテーマは、「善意の殺人」と「周りの影響」です。
殺すつもりなど毛頭なかったのにも関わらず、殺人を犯してしまう犯人とその犯人が大切に思っている兄弟。
しかし、その感情のつながりはすれ違いを生みます。
どんなに「申し訳ないことをした」と謝ったとしても、殺人はそれを犯した時点で「殺された人の未来の可能性をすべて奪ってしまう」行為だからです。
そして、本作品では世間が「殺人犯」の弟に対する反応を鋭く描いています。彼はあらゆる場面で差別的な対応をされます。きれいごとでは済まされないということなのでしょう。
本作品の最後は、感動的です。場面の描写と心理描写がぴったりマッチしているため、情景が目の前に浮かんできます。
涙なくしては読めませんでした。
龍