上杉三代記 | 龍の毎週つまみ読み 書評

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上杉三代記 (PHP文庫 し 18-6 大きな字) (PHP文庫 し 18-6 大きな字)/嶋津 義忠
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ウイークデー。

仕事してます。

そろそろたまっている仕事も片付きつつあります。

今日の一冊。

●上杉三代記 嶋津義忠 PHP文庫


為景、謙信、景勝の三代にわたる歴史小説。上杉家の当主として戦国時代から江戸時代までの、苦闘の栄光の歴史です。

上杉というとやはりスターは謙信。川中島の合戦での信玄との名勝負や、「義」を重んじるスタイルは、ファンも多いはずです。

この小説では、もちろん謙信の魅力も描かれていますが、私が一番なるほどと思ったのは、景勝のところです。

景勝の時代、上杉家では最初の家督争いから最後の関ヶ原での敗北まで、あまりよいところがありません。しかも、この時代の上杉家のスターは直江兼続。彼はたぐいまれな才能で景勝を支え続けます。彼の活躍があったからこそ、上杉家は生き延びることができたともいえるでしょう。

景勝は??この小説を読むまで、イメージ薄い武将でした。でも、彼の境遇を考えると可哀想な面も。偉大な養父、謙信の影を追いつつ、自分は「謙信とは違うのだ」と言い聞かせる場面は、世の中の二代目経営者を見ているようでした。

先代があまりに偉大だと、二代目は二つの方向に行きます。すなわち、いじけるか別の方向に行くか。どちらもうまくいかなケースの方が多いです。理由は先代の影を背負っているから。

この精神的な負荷をなくさない限り、二代目が成功することはできないのです。

そういう意味では、上杉家を保った景勝は葛藤もあったとは思いますが、うまく先代の影を断ち切ったのでしょう。

二代目にはお勧めの書。