法廷会計学VS粉飾決算 | 龍の毎週つまみ読み 書評

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平日。

平凡な平日。

今日は会計本です。

●法廷会計学VS粉飾決算 細野祐二 日経BP社

「公認会計士VS特捜検察」に続く第二弾。ただ、前作が自身の体験をもとにしたドキュメンタリー的なものなのに対し、本作はJAL、日興コーディアル、NOVAの財務諸表を読み解く内容となっています。

「SPCは、現行連結決算上、連結の対象外にできる可能性があるのである。」
そもそも、このような規定があることを知らなかったため驚きです。著者の指摘によると日興コーディアルはこの規定を悪用して、粉飾したということ。

「所有権移転外ファイナンスリースリースに会計上の意義などなにもない。」
要するに、資産化処理をしないためにルール自体を、その目的に合わせていたということ。これが会計・税務ともに処理方法が、原則資産処理することとなり企業の現場は大混乱。やはり原理原則にのっとったルールを最初から決めておくのが大切なことです。

「債務超過会社には税効果資産の計上は認められない・・・」
当たり前。ですが、業績が悪い会社がそのため更なる粉飾を行い、その粉飾した決算書に税効果資産という粉飾の二度塗りをするという悪循環。

「セール・アンド・リースバック」
利益操作のエース?だそう。この方法を使えば設備投資するたびごとに利益が増えます。そんなおかしなことがあっていいのだろうか?

「経営不振で再生中の会社の事業計画は、予想可能な収益は取り込まず、予想可能な費用を手厚く盛り込んで作成・・・(保守主義)」
そもそも経営不振の会社は、その収益モデル自体がゆがんだものであるため、そこの根本的な解決が必要です。しかし、外部に対する説明資料である事業計画では、「できるところ」を確実にやって再生できることを示さなければならないということです。

本書を読んで感じたのは、会計士さん大変な時代なんだぁということ。責任が重いばかりで、報酬は見合っていない。近代の監査制度も制度疲労を起こしているのかも。

また、著者の記述は鬼気迫るものがあります。迷いがない。ある意味、開き直っている。そのため業界のタブーの部分についても明快に書いています。

会計にかかわっている人には、お勧め本。