おとぎ話の「HELL」は原点回帰といったらいいのか、懐かしくてほっこりするアルバムだった。
2000年のデビューからもう20ウン年経ち、メンバーの佇まいは以前にも増して渋みが増したけれど、アルバムの「恋は水色」「ね。」「絵画」「正義の味方」を聴いていると、デビュー当時のちょっと青臭くて、ポップで、ロックなおとぎ話が浮かび、懐かしさが込み上げる。もちろん今のおとぎ話でしか出せない音楽を奏でているのだろうけれど、感受性も語彙力も低い自分にはそれが言葉にできないのでございます。
ラストの「正義の味方」はアルバムのなかでもとりわけ好きな一曲だ。臆病な半面、プライドは人一倍高い、そんな思春期ド真ん中の青年の恋心を歌った、不器用でやさしくて強い一曲だ。