前田隆弘「死なれちゃったあとで」 | やっぱJ-POPが好き 自己満日記

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J-POPと本が好き。水着が食い込んだアイドルの尻はもっと好きです。週末は図書館をうろちょろする、ケチで自由な独身のオッサンです。もちろん友達はいません。

身近な人からちょっと離れた人まで、著者の前田隆弘さんが経験した死別を綴ったエッセイ集「死なれちゃったあとで」を読んだ。死がテーマではあるけれど、重々しさを感じたり、感傷的な気持ちになることなく、読み心地が良かった。自殺や事故死といった突然の死から、前田さんの思ったこと、感じたこと、考えたことが興味深かった。

 

本書でも印象的だったのは、自殺で亡くなった大学時代の後輩Dさんを思い綴ったエッセイ。大学時代、なかなか友人ができなかった前田さんにとって、Dさんは大切な友人のひとりだった。Dさんとの死別で思う、前田さんのこんな言葉が胸に残った。

「死んだ」という悲しみはそのうち薄れていくような気がする。でも「いない」という寂しさ、空虚さはきっとこれからが本番なのだろう。一生続くかもしれない。