2023.7.31

 

ザキントス島に着きました!

 

 

アスティパレア島で「次は何処に行くの?」と地元のオジサンに訊かれて、「ザキントスだよ。」と答えると、一瞬怪訝な顔をされて通じないことがありました。何度か言っているうちに「あー、ザキントスね。」と通じました。

どうやら、発音は合っているのですが、イントネーションが違うようです。

 

私は、ザキントスの「キ」を強く発音して平板な喋り方をしていましたが、地元の人は「ザ」を強く発音するのです。

つまり、ザントス ではなくて、キントスと発音した方が通じやすいようです。

 

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朝、6時30分に迎えに来たタクシーで、空港に向かいました。

ところが、タクシーは丘を登って空港とは反対方向のホラの町に向かいます。

「何故こっちに来るの?」と訊くと、女性ドライバーは「もう一人お客を乗せるのよ。」と言います。  なーるほど、「行きがけの駄賃」で効率よく稼ごうという訳のようです。それでもタクシーは予定の時間通り出発の1時間前に空港に着きました。 「ホラ、時間通りでしょ!」と女性ドライバーは自慢げに言いました。

 

改めて空港の建物を見ると、本当に小さな建物です。

アスティパレア空港の建物

 

待合室には20人程の乗客が既に待機していました。

アスティパレア空港の待合室

 

我々の後からも、ボツボツと乗客が集まってきました。

 

チェックインカウンターは小さなブースが一つあるだけで、一人のおばさんが手続きをしていました。そのすぐ横にセキュリティーチェックの機械があり、ガタイの良い男性が一人で対応しています。 何だか村の郵便局のような緊張感に乏しい風景でした。


 

やがて、我々が載るプロペラ機が飛来し、滑走路に滑り込んできました。

降りてくる乗客が済むと、乗り込む乗客が徒歩で飛行機に向かいます。

実に長閑な搭乗風景で、私はこういうのが好きです。

 

 

飛行時間は僅か50分の空の旅でした。

エーゲ海に浮かぶ島影を楽しんでいると、アッという間にアテネ空港に到着しました。 

 

アテネ空港で荷物を受け取ると、何だかスーツケースのキャスターの具合が悪いのに気が付きました。 調べてみると、キャスターの取り付け部分がパックリ割れているのです。しかも2か所も! 

 

さらに良く調べてみると、上部の角も割れてヒビが入っています。

 

さっそく、Lost and Foundの窓口に行き、係の男性に実情を説明しました。

若いイケメンの男性は損傷個所を確認して「あー、やられちゃいましたね。」と言って、すんなりと手続きをしてくれ、「Damage Report」と題した書類を作成してくれました。

イケメンちゃんは「この書類と搭乗券と荷物のタグとパスポートと損傷部分の写真を撮って、Sky express のカスタマーケアの係宛にメールを送って下さい。そうしたら先方から損害の補償に関してコンタクトがある筈です。」と言います。

私は、今までの経験から、「補償を認める」「認めない」について相当タフなネゴシエーションをしなければならないと覚悟していたのですが、あっけないほどスンナリと補償手続きをしてくれたのでホッとして「有難う!」と言って書類にサインし、窓口を後にしました。 

補償してくれるならそれでOK

 

傍で見ていた家内は「あなたが怒らないで手続が済んだのは初めてね。」と言っていました。

しかし、実際補償されるまで安心はできません。むしろこれからが戦いの始まりだと思っています。

 

            *** * ***

 

 

さて、次の我々のフライトは12:50で、未だ2時間ほど余裕があります。

Sky express は、ビジネスクラスでなくともアテネ空港のラウンジを使うことが出来るというので行ってみました。

ラウンジの入り口です

 

広々したラウンジは、国内便のエコノミークラスでも使える割には空いていましたが、座り心地の良さそうなソファーには、お行儀悪く横になって寝ている人が大勢いて、雰囲気としてはあまり宜しくありませんでした。

 

それでも、飲み放題のビール、ワイン、ジュース、コヒーや軽食コーナーに並んでいるチーズとハムのサンドイッチやフルーツなどは美味しくて、ついつい沢山頂いてしまいました。

 

ザキントス島への我々のフライトは、直行便ではなくケファロニア島で乗り継ぎが必要となります。(直行便もあるのですが、時間の関係で乗継便にしました。)
荷物がチャンと届くか心配でしたが、無事に出てきたのでホッとしました。

 

ただ、ダメージを受けた部分の傷がさらに大きくなっているのには困りました。

日本に着くまで、あと4回も飛行機に積み下ろしをしなければなりません。

その度にダメージが拡大し、終いにはキャスターがぶっ飛んでしまうのではないかと心配です。
早めに新品と買い換えたいと思うのですが、島には気の利いた旅行用のスーツケースを売っている店は無さそうです。

ナクソス島に滞在中に、ネットで購入するしかないかな…などと対策を思案中です。

 

         *** * ***

 

ホテルから差し向けてもらった迎えのタクシーで、ホテルに着きました。

フロントの女性が「予約されたお部屋は山側のお部屋でしたが、当ホテルの好意でグレードアップさせていただきました。パーシャルシービューのバルコニー付きのお部屋です。」と言うので、どんな部屋かと期待して行ったのですが、眺めは隣の汚い建物が正面にあって、右手を覗き込めばやっと海が見える程度の部屋で、恩着せがましく言われるようなグレードアップではありませんでした。

 

でも、良いのです。このホテルは部屋からの眺めではなく、屋上のプールに期待して予約したのであり、そもそもこの島に来たのはクルーズ船で《難破船のビーチ(正式名称ナヴァイオビーチ)へのクルーズツアー》に行くのが目的だった訳ですから。

 

 

そんなことよりも、部屋でメールをチェックしていると、もう一つの問題が発生していることを知りました。

事前に予約していた、ザキントス島でのメインイベントである難破船ビーチツアーを申し込んだ会社から、「予約をキャンセルしました」という連絡が来ていたのです!

ビックリしてメールを読んでみると、私のデビットカードが昨日の引き落としで不可となったために予約をキャンセルしたとのことです。

私のカード会社が、突然普段と違う国からの怪しげな引き落とし請求が来たので、セキュリティー上の観点から支払ストップをかけたものと思われます。

慎重を期すことは結構なことですが、支払いをストップしたままで、本人に確認の照会が来ないのは困ったことです。

 

ウエブから再申し込みを行おうとしましたが、代金の支払い段階で「このカードは支払いを拒否されましたので使えません。別のカードをお使いください。」と表示されてしまいます。

私は別のクレジットカードは持っていますが、クレジットカードで支払うと円換算する時に割高な為替レートを適用されますし、現在の円安ユーロ高をまともに被る形になるので使いたくありません。

その点デビットカードは、円高ユーロ安の時に仕入れておいたユーロ預金からダイレクトに引き落とすことになるので、手数料もかからずメリットがあるのです。

 

ホテルのフロントからデビットカード会社へのフリーダイヤルを掛けて貰いましたが、どういう訳か旨く繋がりません。

明後日に予定しているクルーズツアーに参加できなかったらどうしよう…。それに、カードが使えないとなると、ユーロの現金の持ち合わせが無くなった時に支障が出かねないので不安です…。

そんな不安を抱えながらザキントスタウンを散策していると、港のプロムナード沿いにクルーズツアーの代理店が何軒もオフィスを構えているのが目に入りました。

その中で、キレイなお姉さんが居るオフィスを覗いて説明を聞いてみました。

すると、私が日本から申し込んだツアーより、立派な船で、ツアーの時間が長く、内容も遜色なく、金額が断然安いツアーが有ることが判り、その場で申し込みをしました。支払いにデビットカードを使ってみましたが、問題なく使えホッとしました。

いいツアーを紹介してくれて有難う!

怪我の功名とでも言うべきか、キャンセルされて却って良い結果になったことは喜ばしいことでした。


しかし、お姉さんから詳しく説明を聞いてみると、難破船のビーチ(ナヴァイオビーチ)では、数年前の地震で崖が崩落する事故があったらしく、怪我人はいなかったのですがそれ以来ビーチへの上陸が禁止されているということです!

浜の近くまで行って、船から写真を撮るだけだというのです。

残念ですが、どの船で行っても上陸禁止なら仕方がありません。諦めるしかなさそうです。

 

 

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さて、ザキントスの街の印象ですが、「都会だなー!」というのが異口同音に我々の口を突いて出た言葉でした。

 

長閑で静かなアスティパレア島からいきなりザキントス島に来ると、海岸沿いのメイン通りを車やバイクが騒音と排気ガスを撒き散らしながらひっきりなしに通るのと、観光客もワサワサと居る光景に圧倒されてしまいます。おまけに、観光地にありがちな馬車や遊園地のような汽車まで行き来しています。

 

何だか人と車に疲れてしまい、頭が痛くなって眩暈すら感じます。(大袈裟だろ!)
それに、この程度の気温でこう言っちゃ日本の皆さんに申し訳ないのですが、日向を歩いているととても蒸し暑く感じます。アスティパレア島は涼しくて良かったなーとつくづく思いました。

 

ホテルのフロントで、街の見どころを聞きましたが、二つの教会と二つの広場と、二つの美術館と1本のショッピング街を紹介されただけでした。 この街は、クルーズ船に乗って難破船のビーチを訪れる以外、あまり見どころは無さそうです。

この島での滞在をたった4泊にしたのは正解だったようです。

 

それでも、教えられたようにホテルの周辺を一通り散策してみました。

Solomos Squareです

この広場は、ザキントス出身の有名な詩人ディオニシオス ソロモスにちなんで名付けられています。
右の茶色い建物が、Agios Nikolaos of Molos 教会です。
左の白い建物は、右半分がカフェ、左半分が図書館になっています。

中央のブロンズ像は、月桂冠を高く掲げたエレフテリア (ギリシャ語で自由) の女神像The statue of Liberty Zanteです。(Zanteはザキントスの別名です)

 

広場の先には更に小さな広場があり、そこには下の写真(トンガリ帽子の赤い屋根の時計塔)のような小さな美術館があり、左隣にはアルファバンクの支店がありました。

中央の時計塔があるのが美術館

 

メインの商店街です

 

お洒落な土産物店が並びます

 

 

アギオス・ディオニソス教会です

 

教会の内部です

 

 

 

 

中央は大天使ミカエルですね

 

天井画です

 

隣の修道院の鐘楼のようです

 

アギオス・ディオニソス教会(Church of Agios Dionysios)は素晴らしく見応えがありましたが、それ以外は今のところ、あまり大した見どころはありませんでした。
4日目には一日フリーの日がありますから、もう少し詳しく街の中を見学してみようかと思います。

 

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お腹が空いてきたので、早めの夕食にしました。

この日はどうしても中華蕎麦(チャイニーズ・ヌードル&スープ)が食べたくて、この街に1件と言われる中華レストランに行きました。

地中海の島に来て中華料理とは如何なものかとは思いましたが、胃袋がギリシャ料理的なものは受け付けず、どうしても中華蕎麦が食べたかったのです。

この中華レストラン、当たりでした。 

日本の旨いラーメンとは比べ物になりませんが、スープが良い味を出していて、良く煮込んだ肉もホロホロに柔らかくて旨かったです。

 

「不味かったら追加注文せずに出て別の店に移ろうね」と話し合っていたのですが、「意外にいけるね。じゃ、他の料理も注文しよう。」と言うことになりました。

4種類の定食の中から「鶏肉の酢豚風」と「春巻き」と「コーンスープ」がセットになったメニューに決めました。

甘酢の味が良くて、旨かったです。 

春巻きは具が野菜だけでちょっと残念でしたが…。

 

レストランは港沿いの道に面して並んでいるのですが、この道路は交通量が多く、排気ガスが気になります。料理を口に運ぶと、埃や排気ガスも一緒に口の中に入ってくるような気がして、その点が残念なところでした。

 

 

食後の腹ごなしに、予約した難破船ビーチツアーの船着き場を確認しに行きました。

場所は、アギオス・ディオニソス教会の先の港で、ゆっくり歩くと20分以上かかりましたが、海風も涼しく、夕闇の中にカフェの明かりが煌めき、なかなか気持ちの良い散歩が出来ました。

このクルーズ船のどれかの筈です

 

港の明かりが綺麗です

 

浮かぶ小舟が良い感じ

 

港沿いのプロムナード

 

あの丘の上からの夜景は綺麗そう

 

マルタの旗を掲げたヴァレッタ号

 

我々のホテル Strada Marina

 

ホテルに戻ってから、スーツケースの損害補償請求に関するメールを作成しました。

損傷個所や必要書類の写真を撮って、編集して説明を加え、それらを添付したメールを完成させるのに夜遅くまでかかってしまいました。

果たしてどんな返事が来ることやら…。 上手く解決できると良いのですが…。

 

明日(8/1)は、このホテルの屋上にあるプールサイドで1日過ごそうと話が纏まりました。 屋上プールは19時で締まってしまうので未だ行っていませんが、眺めが良いといいな…。