オニユリ(鬼百合)

 

学名:Lilium lancifolium

科名・属名:ユリ科・ユリ属

英語名:tiger lily

花期:7~8月

分布:北海道、本州、四国、九州

撮影場所:芦屋市若葉町

撮影日:2024年7月24日

 

多年草。古い時代に鱗茎を食用にするため渡来したものらしい。朝鮮南部が原産地と考えられている。古くから栽培され、北海道〜九州の人里近くにしばしば野生している。茎は高さ1〜2mになり、暗紫色の斑点がある。茎の上部にははじめ白い綿毛がある。葉は互生し、長さ5〜18cm、幅0.5〜1.5cmの披針形〜広披針形で先はとがる。葉には柄がなく、基部に黒紫色の珠芽(むかご)ができる。茎の上部に直径10〜12cmの花を4〜20個つけ、横向きまたは下向きに咲く。花被片は強く反り返り、橙赤色で濃い色の斑点がある。

 

百合の花朝から暮るるけしきなり  一茶

ゲンノショウコ(現の証拠)

 

学名:Geranium thunbergii

科名・属名:フウロソウ科・フウロソウ属

英語名:Touch-me-not Balsam、Yellow Balsam

花期:7~10月

分布:北海道、本州、四国、九州

撮影場所:神戸市灘区六甲山町

撮影日:2024年7月22日

 

多年草。高さ30〜60cm。茎や葉には毛があり、茎の上部、葉柄、花柄、萼には腺毛がまじる。葉は掌状に3〜5深裂する。若葉には紫黒色の斑点がある。花は長い花柄の先に2個つき、紅紫色または淡紅色、白色で直径1〜1.5cm。東日本は白い花、西日本には紅紫色の花が多い。

 

しじみ蝶とまりてげんのしようこかな  森澄雄

 

*今日取り上げたゲンノショウコは、昨日の六甲山散策でみつけたもの。

キツリフネ(黄釣船)

 

学名:Impatiens noli-tangere

科名・属名:ツリフネソウ科・ツリフネソウ属

英語名:Touch-me-not Balsam、Yellow Balsam

花期:6~9月

分布:北海道、本州、四国、九州

撮影場所:神戸市灘区六甲山町

撮影日:2024年7月22日

 

1年草。高さ50〜80cm。茎はやや赤みを帯び、節がふくらむ。葉は互生し、長さ5〜13cm、幅2〜6cmの菱状楕円形で細かい鋸歯がある。花序は葉腋から斜上し、紅紫色の花を数個つける。花序の茎には紅紫色の突起毛がある。花は長さ3〜4cmで花弁3個、萼片3個からなる。萼片も紅紫色で花弁のように見え、下の1個は大きく袋状になり、その先端は細長い距になって、クルリと巻く。この距の部分に蜜がたまる。花弁は下の2個が大きくて黄色の斑点がある。

 

念力のゆるめば死ぬる大暑かな  村上鬼城

 

*今日は暑いので、山の上であれば少しは涼しかろうと思い、六甲山のケーブル山上駅付近まで自家用車で行き、無料駐車場に車を止めて、辺りを数時間散策した。山の上でも日差しは強かったが、自宅周辺にはない、めずらしい植物に出会うことができた。キツリフネも、その一つ。

タチアオイ(立葵)

 

学名: Althaea rosea

科名・属名:アオイ科・タチアオイ属

英語名:hollyhock

花期:6~8月

分布:小アジア、中国原産

撮影場所:芦屋市打出小槌町

撮影日:2024年7月21日

*帆柱はかぞへるほどに月見草  康

 

多年草。古くから観賞用に植えられている。高さは2〜3m。花は直径7〜10cmと大きく、下から次々に咲き上がる。花の色は白色、淡紅色、濃紅色などさまざまで、八重咲きもある。

 

七尾線どこの駅にも立葵  佐藤和夫

フヨウ(芙蓉)

 

学名: Hibiscus mutabilis

科名・属名:アオイ科・フヨウ属

英語名:Cotton rosemallow

花期:7~10月

分布:中国中部原産

撮影場所:芦屋市船戸町

撮影日:2024年7月20日

*なりふりをかまはぬをのこ日傘さし  康

 

落葉低木。古くから栽培され、伊豆半島や紀伊半島、四国南部、九州南部、沖縄では野生化している。高さ1〜4mになる。樹皮は白色を帯び、なめらか。若い枝には星状毛と腺毛が生える。葉は互生。長さ幅とも10〜20cmで、五角形状、ふつう上部は浅く3〜7裂する。先は鋭くとがり、基部はハート形。ふちには鈍い鋸歯がある。葉柄は長さ5〜12cm。葉の両面と葉柄に星状毛と腺毛が生える。托葉は長さ約1cmの線形、星状毛と単毛が生える。枝の上部の葉腋に淡紅色または白色の花をつける。花は直径10〜14cm。花弁は長さ4〜5cmの倒卵形で、縦の筋が入る。萼と副萼片には星状毛と腺毛が密生する。

 

物かげに芙蓉は花をしまひたる  高浜虚子

ヘクソカズラ(屁糞葛)

 

学名:Paederia scandens

科名・属名:アカネ科・ヘクソカズラ属

英語名:Skunk vine

花期:8~9月

分布:日本全土

撮影場所:芦屋市東芦屋町

撮影日:2024年7月19日

*浜木綿や寄せては返す波の音  康

 

つる性多年草。日本全土の日当たりのよいやぶや草地、土手などにごくふつうに見られる。茎は左巻きでほかの木や草などにからまって長くのびる。基部は木質化する。葉は対生し、長さ4〜10cm、幅1〜7cmの楕円形または細長い卵形で先はとがる。葉柄の基部には左右の托葉が合着した三角形の鱗片がある。葉腋から短い集散花序をだし、灰白色の花をまばらにつける。花冠は長さ約1cmの釣鐘状で先は浅く5裂して平開する。のどと内側は紅紫色。果実は核果で直径約5mmの球形。熟すと黄褐色になる。なかには2個の核があり、それぞれに種子が1個ずつ入っている。別名ヤイトバナ、サオトメカズラ。

 

引つぱつてまだまだ灸花の蔓  清崎敏郎

キキョウ(桔梗)

 

学名:Platycodon grandiflorum

科名・属名:キキョウ科・キキョウ属

英語名:balloon flower

花期:7~9月

分布:北海道〜九州

撮影場所:芦屋市髙浜園

撮影日:2024年7月18日

 

*水無月や社の屋根の真青なる  康

多年草。太い根茎は深く地中に入り、茎は高さ40〜100cm、ときに上方が分枝する。葉は互生、ときに対生または輪生、卵形〜狭卵形で長さ4〜7cm、先はとがり、無柄かまたはごく短い柄があり、縁に鋭鋸歯がある。表面は無毛、裏面は粉白色をおび、有毛〜ほぼ無毛まである。茎頂近くに数個つき、花冠は径3〜5cm、花柄があり、青紫色であるが、淡紫色や白色のものもある。

 

片蔭へ子を入れ若き母が入る  川崎展宏

ハマボウ(浜朴)

 

学名:Hibiscus hamabo

科名・属名:アオイ科・フヨウ属

英語名:

花期:7~8月

分布:関東以西の本州、四国、九州

撮影場所:西宮市浜甲子園(甲子園浜)

撮影日:2024年7月17日

*涼しさに山門くぐりふり返る  康

 

高さ2~3m。葉は円形で厚く、長さ 5cm内外で葉柄がある。夏に、上部の枝の葉腋に1個の黄色花をつける。1日花で朝開いた花は夕方にしぼんで落花する。萼は5裂し,花は螺旋状に巻いた5枚の花弁から成り,各花弁の基部に近いところは紫褐色をしている。多数のおしべは癒合して一体となり,長い柱をつくって花の中央に立つが、めしべはこの柱を内部から貫いて柱頭が先端に突き出す。

 

ゆくもまたかへるも祇園囃子の中  橋本多佳子

ヤナギハナガサ(柳花笠)

 

学名:Verbena bonariensis

科名・属名:クマツヅラ科・クマツヅラ属

英語名:

花期:7~10月

分布:南アメリカ原産

撮影場所:芦屋市伊勢町

撮影日:2024年7月16日

*帆柱はかぞへるほどに月見草  康

 

多年草。第二次世界大戦後、東海地方で帰化が知られ、現在では全国的に市街地の道ばたなどに見られるようになった。全体に剛毛があって著しくざらつく。大きな根株から直立茎を出し、よく分枝して高さ1.5mほどになる。茎は通常4稜。葉は広線形で縁に鋸歯があり、無柄で基部はやや茎を抱き、対生する。茎の頂に花序を出し、先端の5裂した紫色の、長さ1cmほどの筒状の花を密につける。

 

しみじみと端居の端といふところ  鷹羽守行

オシロイバナ(白粉花)

 

学名:Mirabilis jalapa

科名・属名:シロイバナ科・オシロイバナ属

英語名:

花期:7~10月

分布:熱帯アメリカ原産、日本全土に帰化

撮影場所:芦屋市大原町

撮影日:2024年7月15日

 

多年草。江戸時代の元禄年間に記録されており、これ以前に観賞用に渡来して観賞用に栽培されたが、各地で逸出して野生化している。葉の表面や葉柄の一部を除いて無毛で、強靭な根株から節の膨れた多肉質の茎を出し、よく分岐して高さ約1mになる。葉は広卵形から長心臓形で全縁、短い柄で対生する。葉腋に短い柄のある花序を出し、直径約3cmで長さ約5cmほどの筒部を持つ花を夜から朝にかけて開く。花に見えるのは萼筒の変化したもので、紫紅、黄、橙、白など多様な色彩となる。

 

夏草や兵(つわもの)共がゆめの跡  芭蕉