ヒヨドリバナ(鵯花)

 

学名:Eupatorium makinoi

科名・属名:キク科・ヒヨドリバナ属

英語名:Boneset

花期:8~10月

分布:北海道、本州、四国、九州

撮影場所:神戸市灘区六甲山町

撮影日:2024年8月16日

 

和名はヒヨドリが鳴く頃に花が咲くことに由来。ヒヨドリバナには葉が3裂する2倍体のキクバヒヨドリとオオヒヨドリバナ(ヒヨドリバナバイスウタイ)と呼ばれる3倍体(倍数体)があり、その中間的なものもある。日本ではほんどが3倍体であり、オオヒヨドリバナをヒヨドリバナに含め、別名とするのが普通。

茎には曲った毛が密生し、林縁では茎が傾いたり、曲ったりすることが多い。葉は対生し、長さ10~18㎝の卵状長楕円形、不揃いな鋸歯縁。葉の両面に縮毛があり、葉裏には腺点が密にある。葉は通常は3裂しないが、フジバカマのように3裂する場合もたまに見られる。散房状に筒状の頭花を多数つける。頭花の小花は5個。総苞片は覆瓦状に、2列につく。

 

この夕べ力つくせり法師蝉  森澄雄

センニンソウ(仙人草)


学名:Clematis terniflora
科名・属名:キンポウゲ科・センニンソウ属
英語名:clematis
花期:8~9月
分布:日本全土
撮影場所:神戸市灘区六甲山町
撮影日:2024年8月16日

常緑つる性半低木。花は直径2~3cmの十字形をしていて、萼片が花弁のように見え、数個の雄しべがよく目立って華やかな感じがする。葉は対生して3~7枚の小葉からなる羽状複葉。花が終わると、伸びた花柱についた白い羽毛状のふわふわした毛が目立つ。

いなびかり北よりすれば北を見る  橋本多佳子

*昼前に、自宅から六甲山のケーブル山上駅まで自家用車で行き、駐車場に車を止めて、周辺を散策し、野草を観察した。

タチスズメノヒエ(立ち雀の稗)

 

学名:Paspalim urvillei

科名・属名:イネ科・スズメノヒエ属

英語名:Vaseygrass

花期:10~12月

分布:南アメリカ原産、本州〜沖縄に帰化

撮影場所:芦屋市南浜町

撮影日:2024年8月15日

 

多年草。茎は高さ80〜250cm、直立・叢生、平滑・無毛。葉は長さ10〜30cm、幅5〜15mm、鞘口に5mmほどの白い毛が散生。葉舌は長さ3〜5mm、縁に長い毛をつける。茎の基部の葉鞘には開出する毛を生じる。花序は長さ20〜40cm、枝は8〜15cm、直立または斜上。小穂は花軸に2〜3列に並び、卵形、鋭頭、シマスズメノヒエよりやや小さく長さ2〜3mm、淡緑色または紫色を帯び、縁に長い絹毛がが密生する。

 

わが影に母入れてゆく墓参り  遠藤若狭男

マツバイ(松葉藺)


学名:Eleocharis acicularis var. longiseta
科名・属名:カヤツリグサ科・ハリイ属
英語名:
花期:6~9月
分布:日本全土
撮影場所:芦屋市南浜町
撮影日:2024年8月14日

1年草。北海道〜九州の休耕田や湿地に普通に見られる。細長い匍匐根茎の節に叢生する。稈は細く、長さ3〜8cm、基部の鞘は赤みを帯びる。小穂は長卵形、長さ2〜4mm、数個の鱗片をまばらにつける。鱗片は広倒卵形、長さ1.5〜2mm、円頭、薄膜質、紅褐色を帯びる。そう果は長倒卵形、長さ約1mm、隆起する縦肋がある。柱基は扁三角錐形。刺針状花被片は3〜4個、そう果より長い。柱頭は3個。

墓参り済ませし人とすれ違ふ  星野椿

ヤブマオ(藪麻苧)

 

学名:Boehmeria japonica var. longispica

科名・属名:イラクサ科・ヤブマオ属

英語名:

花期:8~10月

分布:北海道、本州、四国、九州

撮影場所:芦屋市城山

撮影日:2024年8月13日

 

多年草。茎は叢生し、高さ1m内外。短毛を密布する。葉は茎に対生し卵円形、先は尾状となり、基部は円形または浅心形、縁は下は鋸歯で上に向かって次第に大きな鋭鋸歯となり、長さ12〜19cm、両面に短毛がかなりあり、質はやや厚い。葉柄は葉身より少し短い。下部には雄花序を上部には雌花序をだす。生育のよいものでは円錐花序になるが多くは穂状である。雄花は球状に集り、4花被片と4雄しべがある。球状に集まった雌花の集りは接していることが多い。花被筒に包まれた雌花は倒卵形または広倒卵形、狭い翼があり、長さ1.5mm、全体に毛があるが上部のものが長い。花柱は長さ1.5mm。

 

新涼の浅間晴れんとして蒼し  長谷川かな女

イヌガラシ(犬芥子)

 

学名:Rorippa indica

科名・属名:アブラナ科・イヌガラシ属

英語名: Indian yellow cress、variableleaf yellowcress

花期:4~9月

分布:日本全土

撮影場所:芦屋市城山

撮影日:2024年8月12日

 

1〜越年草。茎は直立して分枝し、高さ10〜60cmになる。葉は柄がないかまたはあり、長楕円状披針形〜卵形、先は鈍形、基部は細くなり、上部のものではやや耳状となって半ば茎を抱き、縁に粗い鋸歯があるか頭大羽状に分裂し、長さ3〜15cm、幅1〜5cm、毛はない。萼片は長楕円形、2.5〜3.5mm。花弁は黄色、長倒卵形で長さ3〜4mm、ときに退化する(アオイヌガラシ)。

 

冷されて西瓜いよいよまんまるし  伊藤道明

 

ミズヒキ(水引)

 

学名:Persicaria filiformis

科名・属名:タデ科・イヌタデ属

英語名:Jumpseed

花期:8~10月

分布:日本全土

撮影場所:芦屋市城山

撮影日:2024年8月11日

 

多年草。北海道〜琉球の山地や低地の林縁や林下に多い。茎は直立しまばらに枝を分け、ふつう中実で、伏毛があり、高さ40〜80cmになる。葉は茎全体につくか小形の個体では茎の上部に集まり、楕円形〜広楕円形、先は鋭形、基部は広いくさび形、長さ5〜15cm、幅4〜9cm、両面に長さ1mm内外の毛があり、表面の中央にはときに帯紫色の斑が見られる。葉柄は短く、上部の葉はほとんど無柄、托葉鞘は膜質、褐色で、表面と縁に毛がある。萼は4裂し、裂片は卵形で上側のものは赤色、下側のものは色が淡い。

 

水引の花は動かず入日さし  山内雅子

キンミズヒキ(金水引)


学名:Agrimonia pilosa var. viscidula
科名・属名:バラ科・キンミズヒキ属
英語名:Japanese argimonia
花期:7~10月
分布:北海道、本州、四国、九州
撮影場所:神戸市灘区六甲山町
撮影日:2024年8月7日

多年草。北海道〜九州の低地、山地にふつうに生える。根茎は肥厚し、茎は多毛で高さ50〜100cm、分枝し、葉を等間隔につける。葉は5〜9個の小葉からなる。頂小葉は長さ3〜6cm、菱状長楕円形〜菱状倒卵形で、多くは先がとがり、縁にはとがった粗い歯牙のあることが多い。葉の裏面には全面に多数の白色または帯黄色の腺点がある。托葉は通常半卵形で、内側へ湾曲し、先がとがり、粗く大きな鋸歯がある。花は花穂にやや密につく。花は径7〜10mm。花弁は5枚で黄色、倒卵形〜狭倒卵形で長さ3〜6mm、幅1.5〜2mm。

牛部屋に蚊の声闇(くら)き残暑かな  芭蕉

*今日(8月10日)も、8月7日の六甲山で見つけた野草を載せることに・・・。

ベニバナボロギク(紅花襤褸菊)


学名:Crassocephalum crepidioides
科名・属名:キク科・ベニバナボロギク属
英語名:thickhead、fireweed
花期:8~10月
分布:熱帯アフリカ原産、本州、四国、九州に帰化
撮影場所:神戸市灘区六甲山町
撮影日:2024年8月7日

1年草。茎は上部でよく分枝し、高さ30〜70cmになる。葉は互生し、長さ10〜20cmの倒卵状長楕円形。下部の葉は不規則に羽状に裂ける。花序は先が垂れ、下向きに頭花をつける、頭花は全て細い筒状花からなり、花冠の上部はレンガ色、下部は白色。花柱は2裂し、裂片はしばらくするとクルリと巻く。

夜の湖の暗きを流れ桐一葉  波多野爽波

*今日(8月9日)も、一昨日(8月7日)の六甲山で見つけた野草を載せることに・・・。

ホタルブクロ(蛍袋)


学名:Campanula punctata
科名・属名:キキョウ科・ホタルブクロ属
英語名:shaggy soldier
花期:6~7月
分布:北海道、本州、四国、九州
撮影場所:神戸市灘区六甲山町
撮影日:2024年8月7日

多年草。高さ40〜80cm。茎には粗い開出毛がある。根生葉は卵心形で花期には枯れる。茎葉は互生し、長さ5〜8cm、幅1.5〜4cmの三角状卵形または披針形でふぞろいの鋸歯がある。茎の上部に長さ4〜5cmの大きな鐘形の花をつける。花冠は淡紅紫色または白色で濃色の斑点があり、先は浅く5裂する。萼片の湾入部間には反り返った付属体がある。

此石に秋の光陰矢のごとし  川崎茅舎

*今日も、昨日(8月7日)の六甲山で見つけた野草を載せることに・・・。