今日は、物語を創りました。
昔々、ある所に、
一人の婦人がおりました。
そして彼女の側には、
婦人を愛する、
彼女の夫と
二人の間にできた三人の子どもが
おりました。
ある時、婦人は魔法にかかり、
周りの物の名前を
どんどん忘れていきました。
これからも婦人が色々な物や人のことを
忘れていくことを知った四人は
誰が婦人に一番長く覚えられているかを
競うことにしました。
まず、長子(姉)が言いました。
「お母さんは私のことを
一番長く覚えていると思う。
お母さんにとって
はじめての出産で、
はじめての子育てで、
思い出がたくさんあるだろうから」
次に、次子(私)は言いました。
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「お母さんは私のことを
一番長く覚えているに決まっている。
食事の用意からオムツ替えまで、
お母さんに日々尽くして
ずっと側にいるのだから」
三番目に、末子(弟)が言いました。
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「お母さんは僕のことを
一番長く覚えているだろう。
僕のことを常に気にかけていたし、
やはり末っ子が一番かわいいと思う」
最後に、夫(父)が言い張りました。
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「間違いなく、一番長く
覚えられているのはお父さんだ。
お父さんとお母さんは
『ハート』で繋がっているのだよ
(たとえ何もしなくても)」
ある日、
婦人は長子のことを忘れました。
その数ヶ月後、
婦人は次子のことを忘れました。
そのまた数ヶ月後、
婦人は末子のことを忘れました。
そして
婦人は
夫のことだけ
いつまでも忘れませんでした。
今も婦人の魔法はとけていません。
しかし、どう言う訳か、
婦人は夫のことを覚えています。
理由は誰にも分かりません。
めでたし、
めでたしじゃないっ。




