今晩泊る「アドラーホテルフランクフルト」にチェックインし、なかなかキレイな部屋で朝食込み49ユーロ(約7840円)、フランクフルト駅徒歩5分のホテルとしては格安。その分シャワールームが共同で狭いなど難点はあるが、それは気にしない。
荷物を整理し、残り少ないドイツ滞在時間を有効に使うべく、家族などへのお土産を探しに近所の店に向かう。一人の買い物で持ち帰られる、最大量のお土産を買い「さて、ホテルに戻る途中で、良さそうなドイツ料理店を探そう。ドイツ旅行最後の夜だ。最後ぐらい美味いモノ食べるぞー!」などウキウキ気分で歩いていると、明らかにヤバい人々がいる。もしこの時の様子を後日インタビューされたら、こんな感じになる。
インタビュアー「そんなに治安が悪かったんですか?」
さやた「ええ。ホテルに帰る途中で、ヤバそうな男性3人、女性2人に声を掛けられ、ホームレス5人、ラリってる人2人、壁に押し付けられ殴られている人1人、パーカーまたはジャンパー着て帽子をかぶり立っている、いかにもな麻薬売人風の男性5人ほどを見ました。久々に『あ、ここはまずい。下手すると日本に帰れなくなる』と恐怖を感じました」
インタビュアー「そんな大げさな。そんな巨大駅から徒歩5分の場所なのに?」
さやた「嘘じゃないです。
この通り、ピンポイントで危険な地域とガイドブックに記されています。ラリッてる人って健常者には出来ない動きしますし、殴られている人は、普段格闘技ジムで見るような『攻防』の要素が全くなく一方的で『これが暴力なのか』と改めて認識しました。麻薬の売人?は、アニメや映画で見た通りそのままの姿で、まるで何か共通記号やコスチュームでもあるのかというくらいどれも同じでした。そういうのがまとまって目の前にあると、そこから去る以外の選択肢は頭から消えました」
インタビュアー「無事にホテルに戻れましたか?」
さやた「はい。荷物が多く何かあった時に逃げるのは難しかったので、周囲を一切見ず『私はこの辺りに詳しい者で、日本から来た旅行者ではありません』というフリに徹して、最大速度で歩きました。今から考えると、明らかに日本人の顔で早歩きをしたら、その方が目立って危なかったかもしれません。そのためホテル周辺で夕食を探すなんて出来るわけがなく、貴重なドイツ最後の夕食を1食逃しました。昼食で満腹だったことが幸いしましたが、それでも空腹で寝るのはちょっと苦労しましたね・・・」
何とか無事ホテルに到着し、シャワーを浴びてベッドに入る。雨雪交じりの中ほぼ始発でベルリンを出発し、スイス人一家と楽しく語り合ってお菓子交換会もした数時間後に、麻薬の売人や暴行現場に出くわすという、激動すぎる1日を振り返りつつ就寝した。
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