オーストラリアの森林火災の事をもうちょっと | 旅中毒

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オーストラリアへ森林火災に関して支援したい方向け、現地の組織に寄付する方法を日本語で解説してくれているページがあります。

オーストラリア山火事の寄付・募金方法を日本語で画像解説

 

私のブログを見に来てくださっているのは旅好きさんだと思うし、現地に旅行に行くと言う支援も大いにありですよ。SNSでは「 #GoWithEmptyEskies (空っぽのクーラーボックスを持っていこう)」というハッシュタグが使われています。火災が収まった地域へ遊びに行こう。空っぽのクーラーボックスを車に積んでいって、現地で買った食べ物、飲み物を詰め込もう。

 

さて、1月5日には少し雨が降って火の勢いが落ち着いた地域もありますが、まだまだ予断を許さない。コメント欄でもお話ししていたんですが、熱波による自然発火での森林火災はオーストラリアで特に顕著なんだそうです。

 

 

気温が高くなると植物の水分が失われ、ユーカリのような油分が強い植物は油の濃度が高くなります。そこに猛烈な太陽光が当たると油分が熱せられて発火する。天ぷら油をコンロの火にかけっぱなしにして火事になるのと同じ理屈です。だから、熱波が去るまでは、いつ、どこで新しい火災が発生するかわからないのですって。そして一度燃え始めたら周りがすべて燃えやすいものだからどんどん広がっていくわけで。本当に、手が付けられないですね。何とか収まってほしい…。

 

旅日記を始めちゃうと、あまり火災について書くのも変なので、別記事で書いちゃっときます。

 

シドニーに到着した12月28日のお昼は、こんな青空だったんですよ。(セントラル駅)

 

でもその日の夕方に友人の家にお邪魔する頃、シドニーから1時間ほどの距離にあるその町は、煙のせいで空も太陽もオレンジ色。煙は、ちょっと甘いような匂いがしました。

 

 

黒い鳥の羽かと思ったら、煙と共に飛んできた焼け焦げた葉っぱなのだった。

 

そして翌日の29日に改めてシドニーを案内してもらう時には、こんな空に。1枚目の写真のセントラル駅からこの聖メアリー大聖堂まで徒歩20分ほど。どちらもシドニー中心部です。

 

青空に映える白いオペラハウスの美しさは有名ですが、この通り。

 

テレビで、メルボルンが町ごとすっぽり煙に包まれて外からほとんど見えなくなっている映像も見ました。衝撃的でしたわ。メルボルンに住む友人夫氏のご兄弟は「とにかく、こっちに来るな。外を歩ける状態じゃない」と言っていたそうで。でもシドニーも同じようになる日がある。他の町も。煙が流れてくる町では、子どもや老人、妊婦は家から出るなと言われるそうです。煙を吸わずには息ができないもの。

 

翌日の30日もこんな空でしたね。そして12月31日に海水浴に行った帰り、展望台から。

 

青空なら、海岸に突き出す山が延々と続く素晴らしい眺めを楽しめるらしい。この時も、この方角は黄色が濃くて、反対側は少し青空に近いような感じもしました。風向きのせいね。

 

ちなみに、この海岸に行くのに使ったハイウェイはその後、私の滞在中に封鎖されていました。

 

元日にはキャンベラの国会議事堂へ。

 

現役の国会議事堂から、650メートル先の正面にある旧国会議事堂が見えるはずなのに、この通りです。国会議事堂に向かう道から「いつもならここからもう国会議事堂がドーンと見えるんだよ」と友人夫氏が言っておりましたわ。この日は煙が濃くて、建物の中まで煙の匂いがしておりました。

 

 

いつもなら現国会議事堂の上院・下院の議場も見せてもらえるそうだけど、この日は閉めきり。煙の匂いがついたらアカンからかと思ったけど、議場は一番警備も厳重だろうから、火事の煙と間違えて警報が鳴ったりスプリンクラーが作動したりしたら面倒なことになるからではないかとの説もあり。オーストラリアでは、一度警報が鳴ったら職員も誰も彼も屋外に退避するルールだそうです。

 

なおキャンベラでは1月6日に、 内務省が職員らに対し出勤しないよう指示を出したり、保健省が一部施設での業務を禁止したりという事態に。国立美術館も閉鎖されました。「空気質指数(AQI)」は340を超えていたそうです。

 

 

その翌日の2日は、シドニーでは多少は日差しも届く時もあり、眩しいと感じることもありました。

 

 

そしてその翌日、3日は晴れました! ピーカンとまではいきませんが、風向きも問題なしとのことで、諦めていたブルーマウンテンズ国立公園に連れて行ってもらえたのです!

 

上の写真、赤茶けているところは火事で焼けたところだって。稜線の向こうまで続いているね。

 

そして、こちら、赤丸で囲っているところ、見えづらいと思いますが、遠くに火事の煙が見えている…。

 

そして最終日の1月4日。この日も朝から晴れました! 近隣の町に連れて行ってもらった。

 

晴れは嬉しいんだけど、もう暴力的なほどの日差し。気温は49℃をマーク…。

 

でも午後に帰宅して「何か暗いね」と外を見たら、煙がまた空を覆い尽くそうとしていました。

 

風向きひとつでこうなるのです。庭に、焦げた葉っぱが散らばっていました。

 

 

毎晩、寝る前にはテレビでニュースを見ていました。当然ながら火災のニュースで持ちきり。

 

煙もですけど、火も広がる方向も、風向きで変わるわけでして。友人は、夜の間に火の手が迫るのが一番怖いだろうと言っていました。寝ていたら対応が遅れるし、逃げるにも暗いしね。道路が火で塞がれて逃げることもできなくなったら、なんとか自分のいる場所を火から防いで助けを待つしかない。だから、火が近くなった場所からは、前日の夕方のうちに避難が始まっていました。
 

避難指示が出ていても家に留まる人たちもいましたよ。本当に火が来るかどうかわからないからと。いや、本当に来たらどうする気なの。貴方たちを助けるために消防士がまた危険な目に遭うのに…。何とか家を守ろうとして、燃える隣家や樹木に水をかけて火を食い止めようとする人たちの映像もありました。それで命を落とした父子のニュースもありました。風向きが変わって際どいところで燃えずに済んだ家もあるから、諦められずに残る人たちもいるんでしょうね。

 

消火活動を撮影しているカメラマンに気づいた消防士が「Go! Go!」と、去れと怒鳴る映像が何度もニュースで流れていました。その映像にこうして価値が出てしまうのがアカンわけですが。

 

町全体が焼失して、自宅も職場も失くした人たちもいる。生活が丸ごと消えたんです。それに、たとえ燃えてしまっていなくても、火災現場に近い土地には観光客が来なくなってしまった。何ヶ月も収入が断たれることになってしまった業者さんの悲痛な声も聞きました。 #GoWithEmptyEskies!

 

モリソン首相が被災者の避難先で握手を拒まれている映像も見ました。大勢から罵られて被災地視察を切り上げた映像も。首相はクリスマス休暇で家族とハワイに出かけたのがバレましたからね。 慌てて帰国した首相、「大勢が気分を害したのはわかる」と言っていましたが、そういう問題じゃなくて、非常事態宣言が出るような災害の最中に国のリーダーが外国で遊んでたらアカンやろ…。きちんと対応しても事態が収束しなかったら非難の矢面に立たされる身なのに、何やってるんですか。

 

有名なシドニーの年越しの花火にも批判が出ました。「花火大会の資金を火災の対応に回して」という署名には27万筆が集まったそうです。結局、花火は決行されました。そもそも準備は15ヶ月前に始まっていて、年末が近づく頃には予算の大半を消化済みだから、中止しても資金を被災地に回せるわけではないのですね。それに、シドニーの年越しの花火は世界中から人が集まる大イベントです。 650万ドル(約4億9600万円) の予算に対し、1億3000万ドル(約99億円)の経済効果をもたらすとのこと。

 

ちなみに首都のキャンベラでも花火大会が予定されていましたが、全面的な火気禁止の命令により中止になっていました。シドニーの場合は気温などの天候面でもOKが出たと言う事ですね。

 

1月7日には南米のチリやブラジルで太陽が赤く見える現象が発生。オーストラリアの森林火災の煙が流れてきたためと見られています。煙が地上まで下りることはなく、健康被害はないとされています。でも、これでわかるように、一国のみの問題ではないのです。国際的な大災害なんですよね。

 

そういう視点から離れて、現地で会う人たちには、「今のこれは、いつものオーストラリアじゃない。本当のこの国を見に、またおいで」と言われました。皆さん、火事が落ち着いたらぜひオーストラリアに行きましょうね! いや、落ち着く前でも、場所を選べば楽しめることが沢山あると思いますが! 宿の人に相談したりしつつ、その日に行ける場所を選べばよろしいよ。旅好きの我らは、彼の地の観光業や旅インフラを維持する支援ができるのよ。 #GoWithEmptyEskies!

 

最後に、もういっぺん貼っておきますね。

オーストラリア山火事の寄付・募金方法を日本語で画像解説