パラレル -16ページ目

パラレル

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東京国立近代美術館で開催中の「企画展 アンチ・アクション 彼女たち、それぞれの応答と挑戦」でこれは、と思う作品、《女(Ⅰ)》の主観レビューをお届けします。

画面には、はっきりとした輪郭線で区切られた有機的かつ幾何学的な形態が組み合わされています。

身体や背景が角ばった線や渦巻状のパターンで構成されており、プリミティブな力強さを感じます。

また、鋭く伸びる線や反復する曲線は、内的エネルギーを想起させます。

 

つまり、本作は写実的な人体ではなく、女性という存在を構成する感情や力を再編成したイメージといえるのではないでしょうか。

それは、制作当時の時代背景を考えると、「見る側の視線に従属する女性像」からの離脱でもあり、女性自身の内部から立ち上がる主体的な表現といえます。

芥川沙織の強い自己主張を示す作品です。

芥川(間所)沙織(1955)《女(Ⅰ)》東京国立近代美術館

 

東京国立近代美術館で開催中の「企画展 アンチ・アクション 彼女たち、それぞれの応答と挑戦」でこれは、と思う作品、《作品》の主観レビューをお届けします。


本作は、真鍮を素材としており、細長い長方体の内部が格子状に仕切られています。

最大の特徴は、その内部が斜めに「階段状」に切り取られている点です。

 

真鍮の磨かれた表面は、光を反射し、見る角度によって内部の影の落ち方が劇的に変化します。

そして、物質としての重厚な真鍮と、切り取られた空間が共存し、柱が消えていくような、あるいは立ち現れてくるような、視覚的効果を生んでいます。

金属表面は、鑑賞者の動きや照明によって刻々と表情を変えます。

つまり、本作は固定された形では完結せず、鑑賞の時間そのものが作品を完成させる構造を持っているのです。

 

本作に近づけば、体が映り、光も反射する。

それは、周囲の環境や光をも新しい素材として使っているのです。


宮脇愛子(1968)《作品》東京国立近代美術館

 

東京国立近代美術館で開催中の「企画展 アンチ・アクション 彼女たち、それぞれの応答と挑戦」でこれは、と思う作品、《作品》の主観レビューをお届けします。


本作は、ひまわりを思わせる花を表現しています。

花びらはアイロンで焦がしてあり、さらにキスマークを重ねています。

中心は、ピンポン玉で作ってありますが、玉子のようにも見えます。

さらに、支持体は襖です。

 

一見すると、非常に秩序立ち、静かで、美しい構成をしています。

しかし、白い球体はあまりに均質で、個体差がありません。

これは管理された生命、数えられる存在を連想させます。

 

また、花びらの色は肉色・血色です。

これでは、中央を守っているのか、閉じ込めているのか分かりません。

 

そして、アンフォルメルに見られる偶然性はほぼ皆無であり、感情の発露もありません。

これは、自由なアクションの否定であると同時に、秩序そのものが暴力になりうる、という認識を感じさせます。

 

このことから、社会的に固定された女性に対する認識を描いたものではないでしょうか。


田部光子(1962)《作品》福岡市美術館