東京国立近代美術館で開催中の「企画展 アンチ・アクション 彼女たち、それぞれの応答と挑戦」でこれは、と思う作品、《作品》の主観レビューをお届けします。
本作は、ひまわりを思わせる花を表現しています。
花びらはアイロンで焦がしてあり、さらにキスマークを重ねています。
中心は、ピンポン玉で作ってありますが、玉子のようにも見えます。
さらに、支持体は襖です。
一見すると、非常に秩序立ち、静かで、美しい構成をしています。
しかし、白い球体はあまりに均質で、個体差がありません。
これは管理された生命、数えられる存在を連想させます。
また、花びらの色は肉色・血色です。
これでは、中央を守っているのか、閉じ込めているのか分かりません。
そして、アンフォルメルに見られる偶然性はほぼ皆無であり、感情の発露もありません。
これは、自由なアクションの否定であると同時に、秩序そのものが暴力になりうる、という認識を感じさせます。
このことから、社会的に固定された女性に対する認識を描いたものではないでしょうか。
田部光子(1962)《作品》福岡市美術館

