イッタラ展 フィンランドガラスのきらめき | パラレル

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Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中のイッタラ展 フィンランドガラスのきらめき

に行って来ました。

 

イッタラの歩みを象徴する20世紀半ばのクラシックデザインのガラスを中心に、

陶器や磁気、映像やインスタレーションを交えた約450点を通してその技術と哲学、

デザインの美学、さらにイッタラと日本の関わりにも迫る、イッタラの名前を冠した

日本で初めての大規模な巡回展が始まりました。

 

イッタラはフィンランド人のライフスタイルを世界に紹介しただけでなく、フィンランド

デザインの象徴ともいえるガラスアイテムや革新的なデザインのテーブルウェアを通じて、

持続可能で美しい日常生活を育んできました。その活動自体がフィンランドの創造性、デザイン、

生活の価値の体現であったといえます。

 

展覧会の構成は以下の通りです。

 

イッタラ140年の歴史

イッタラとデザイナー

イッタラを読み解く13の視点

イッタラと日本

 

イッタラは1881年にフィンランドのイッタラ村にあるガラス工場からスタートしました。

創業期のイッタラは家庭用のグラスボトル、ボウルや薬瓶を製造していました。

また、手動のプレス機を使ったプレスガラスの製造も行っていましたが、多くはクリスタル・カット

の柄を模倣していたことから、「貧乏人のクリスタル」と呼ばれました。

 

最初から現在のようなイッタラがあったわけではなく、1930年代の建築家、アイノ・アアルトと

アルヴァ・アアルトとの共同作業や50年代のティモ・サルパネヴァのiロゴのデザイン等を経て

現在のイッタラがあるのです。

 

そのイッタラでは、フィンランドを代表する多くのデザイナーが活躍してきました。

近代建築およびデザインの巨匠として知られているアルヴァ・アアルトは実用的でありながら

進歩的なアプローチとフォルムの官能的表現が特徴です。《アルヴァ・アアルトコレクション》は

世界で最も有名なガラス製品のひとつであり、時代を超越したイッタラのアイコンとなっています。

 

そして、イッタラを読み解く13の視点では作品を支える美学や芸術的価値、表現方法やデザイナー

の個性といった観点からイッタラを眺めます。

 

その1つ、「型でつくる」では最終的なかたちや表面の質感をガラスに与える型が展示されています。

伝統的な型は木製ですが、木製は使っているうちにすぐ傷んでしまうので、現在ではスチール型が使われて

います。ただ、木型を使ったガラス面の表面には凸凹があり、スチール型では滑らかで均一な仕上がり

になるということです。

 

最終章ではイッタラと日本の関係を紹介しています。

フィンランドと日本のデザイン界の関わりは古く、1950年代までさかのぼります。カイ・フランクは度々

来日し、日本のデザインや創造性に触発された製品を残しました。

日本側からフィンランド・デザインへの関心も高く、東京に大規模な展覧会が招聘されています。

 

現在においても、《イッタラ✖️イッセイ・ミヤケ》コラボレーションを推し進める等、イッタラと

日本との関わりを垣間見ることができます。

 

美しさと機能性をすべての人へ提供するという思想のもと作り出されたプロダクト。

それらは見飽きることはありません。

イッタラ世界を覗ける展覧会へ出かけませんか。

 

 

 

 

開催期間:2022年9月17日(土)〜11月10(木)

開館時間:10:00〜18:00

     ※入館は17:30分まで

     ※毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)

     ※金・土の夜間開館につきましては、状況により変更になる可能性もございます。

会場:Bunkamuraザ・ミュージアム

主催:Bunkamura、フィンランド・デザイン・ミュージアム、朝日新聞社

協賛・協力等:[特別協力]Iittala

       [後援]フィンランド大使館

お問合せ:050-5541-8600(ハローダイヤル)