沖縄中部病院研修医のドキュメンタリー番組 | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

沖縄中部病院という日本を代表するハードな研修病院がある。そのドキュメンタリー番組を見ていた。

 

頭痛、傾眠の高齢者が受診してきた。本人は元気そう。

一年目の研修医が脳CTをとるかどうか悩んでいた。二年目の指導医に相談すると、「とっても、とらなくてもどっちでもいいが、とったほうがいいかな」というような曖昧な意見。結局、脳CTを撮った。

 

これ見ていて、「急性硬膜下血腫を疑わないとダメだろう」と叫びたくなった。脳CTをとり、それに気づき、緊急入院、緊急手術になったそうだ。

 

脳CTは絶対にとらなければならない。何も異常がなければ、それでよしではあるが、撮らない理由はない。

 

外から見ている分にはいくらでも言えるが、実際に患者に面すると難しいのかもしれない。でも、自分の病院に脳CTがあり、いつでもとれる状態で、とらないで帰すはありえないと思う。悩むようならまず撮るべきだろう。

 

僕自身、そういう判断はすごく早い。もちろん、多数の経験を積んだから言えるのかもしれない。初期研修医のときには、悩んでしまったことだろう。

 

10年以上前のドキュメンタリー番組なので、今はその医者は一流の医師になっているに違いない。