コンビニには常に品物がたくさん並び、何か欲しいものをポチっと、ネットで買い物してしまう。すべてが運送業界の人たちのおかげです。安いものを提供するために、いろいろな会社から運送料金を抑えられ、もうけはみんな大手の会社に。運送会社は、運送費があがらないので、給料もあげられず、他の仕事にうつってしまって人手不足。病気になっても休めない。そんな事情。今もかわらず、いや、今のほうがひどいのか。
病院の庭で倒れている人がいました。「大丈夫ですか?」と声をかけ、診察室に運び込んだのです。倒れていたのではなく、単に寝ていたのだそうです。ずっと睡眠がとれなくて、ついに眠り込んでしまったようなのです。しばらく寝ていて、目が覚めてからいろいろな事情を聞きました。
〇〇急便の社員なのです。働けば働くほど収入が増えるので、寝る間も惜しんで働いていたそうです。高収入は得ていたのだと思います。健康は犠牲になりますが、若いからなんとかなるのでしょう。
「なんでそんなに稼ぎたいんですか?」
「ベンツを買ったので、そのローンが大変なんです。仕事が忙しくて、ベンツに乗っている暇がまったくないんです。」
「じゃあ、ベンツ売り払えば?」
「それだけは嫌です。」
当時の若い人は、ベンツを持っていることがステータスだったんでしょうね。違うだろうとは思いながらも、何も言えませんでした。