質の悪い記事だなあ | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

 

 

医療知識があれば、こんな記事は書かない。医療素人が書くから、基本的ところがわかっていない。それを読んだ人が勘違いする。

 

まず、子供に広がる溶連菌感染症と、劇症型溶連菌感染症は、まったく違う病気であることがわかっていない。その二つが混同して語られるから、知識のない人がよめば誤解してしまう。

 

つまり、子供に多い溶連菌感染症で、命を落としてしまうと思ってしまうのだ。

 

子どもに多い溶連菌咽頭炎は、熱とのどの痛み、時に発疹で受診してくる。つまり、風邪の症状でくるのだ。風邪のように唾液で子供に広がっていく。

 

劇症型溶連菌感染症は、腕や足の傷から感染する。人から人への感染ではない。傷から溶連菌が入ってきて、それが劇症型というたちの悪いものだと一気に進行し、命にもかかわる。腕が痛い、足が痛いなどの症状で受診してくるのだ。

 

二つのまったく違う病気を、「溶連菌」というキーワードで同じかのように語ってしまう。書くほうもわかっていないし、読むほうも誤解する。

 

溶連菌だと死んでしまう可能性があるんですよねと、子供が風邪で来ると、溶連菌を調べてほしいと言ってくる。こどもの溶連菌感染症の場合には、自然に治ってしまうものもおおいから、症状の軽いものをいちいち指摘する必要もない。

 

重症になるかもしれないと思わせたほうが、医師には得する面がある。すぐに受診してくるようになるから、患者の少ないことに悩まなくてよいからだ。不安をあおることがいいことだとは思わないけどね。