無料の医療は、悪用する人がでてくる | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

生活保護を受けている人は診察料無料です。医療にはいっさいお金がかかりません。このシステムを利用して、生活保護を受けている人を、検査、治療をしまくってもうける病院がでてきます。

 

東京では子供の医療費は無料です。今は高校生まで無料かな。こうなると、やはり無料だからという理由で、悪用する医療者がでてきます。不要な診療をどんどんするようになるのです。

 

夜間救急往診クリニックの話を書きましたが、子供に日曜日の深夜になると、40000円ぐらいもらえます。もし3割自己負担がかかれば、12000円の請求がきます。子供が熱が出たとき、12000円はらって、診療を受けようと思いますかね。ほとんどの人は思わないでしょう。無料だから頼むのです。本当に症状が重ければ救急病院に行こうとするでしょう。しかし、ちょっと熱がでたが、解熱剤がないという場合に往診依頼をすれば、医師がとんできて解熱剤をだしてくれるわけです。

 

子どもが夜に熱がでるなどいくらでも起こります。親にとっては、病院に連れていくのは大変だよねと、このような夜間往診クリニックを頼んでしまいます。だって、無料なんだから。

 

その陰にはすごくもうかるビジネスがあるのです。

 

当院では、夜間の電話対応もしていますが、熱に対する指導をして、多くの場合には翌日受診させてくださいと説明しています。ほとんどそれですむのです。

 

治療が一日遅れたからといって、どうということはありません。翌日の受診で大丈夫です。もちろん、重症例は救急病院にかけこんだほうがいいかもしれませんが、このような夜間往診専門クリニックに頼っても、ロクに対応しないと思います。そもそも小児科医ではないように思いますから。