地震でケガをする人は多い。このニュースのように、たかが3人ですむわけがない。死亡者数となると正確に把握できるかもしれないが、「棚から落ちてきたもので頭をぶつけました」というような軽い傷では、そもそも把握できるはずがない。
自分の地域で大きな地震が起こった。転倒してケガをしたお年寄りが、自分が診察する救急外来を受診してきた。地震によるケガなのは間違いない。その患者を目の前で診察しているわけだ。
ところが、ニュースに一報が入る。〇〇県でのケガ人は何人ですと報道される。絶対に今診ている患者はこの数に入ってはいない。
このような地震が起こると、周辺の大病院に電話して確認するそうだ。「地震でケガをして、病院を受診してきた人はいますか?」というような質問なのだろう。クリニックレベルになると、数が多すぎて、電話などこない。軽いケガであれば、クリニックでみることのほうが多いのではないだろうか。
だから、地震の負傷者ではなく、地震の重症者としてほしい。そういう報道で十分だろう。テレビでも、「棚から落ちてきたもので頭をぶつけた人がいる」というような報道がなされる。そんな報道いらないだろう。