負傷者数はわからない | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

 

 

地震でケガをする人は多い。このニュースのように、たかが3人ですむわけがない。死亡者数となると正確に把握できるかもしれないが、「棚から落ちてきたもので頭をぶつけました」というような軽い傷では、そもそも把握できるはずがない。

 

自分の地域で大きな地震が起こった。転倒してケガをしたお年寄りが、自分が診察する救急外来を受診してきた。地震によるケガなのは間違いない。その患者を目の前で診察しているわけだ。

 

ところが、ニュースに一報が入る。〇〇県でのケガ人は何人ですと報道される。絶対に今診ている患者はこの数に入ってはいない。

 

このような地震が起こると、周辺の大病院に電話して確認するそうだ。「地震でケガをして、病院を受診してきた人はいますか?」というような質問なのだろう。クリニックレベルになると、数が多すぎて、電話などこない。軽いケガであれば、クリニックでみることのほうが多いのではないだろうか。

 

だから、地震の負傷者ではなく、地震の重症者としてほしい。そういう報道で十分だろう。テレビでも、「棚から落ちてきたもので頭をぶつけた人がいる」というような報道がなされる。そんな報道いらないだろう。