診療の8割がコロナ対応 | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

今や、診療や普段の情報収集の8割ぐらいがコロナ対応になってしまった。逆に言えば、それ以外のことにあまり時間がとれていない。

 

当院では普通の診療もしながら、コロナの診療(PCR検査など)などを行っているが、コロナ対応が忙しくなってきている。

 

熱がでるとPCR検査だけして、治療は他のクリニックでやってもらえと当院を受診する患者が多い。PCR検査しかしないとい医者がいるのかと思うが、そのような患者がやたらと受診してくる。

 

逆パターンもある。他のクリニックで薬をもらったが、よくならない。そこのクリニックではPCR検査をやっていないのでと、当院に流れてくる。当院でPCR検査をしてくれないかと紹介状をつけてくれるのであれば、医療連携という形で協力したい。しかし、他のところで調べてもらえとばかりに追い出された患者がまわってくるとこちらも腹がたってくる。

 

当院でこなせる検査にも限界がある。時間を調整しながら、できるだけ検査をしようとはしている。

 

しかし、そのように流れてきた患者は、「今すぐに検査をしろ」と怒鳴り散らしてくる。検査がいっぱいだと断ると、「おかしいだろう」とさらに、怒鳴り散らす。これを受付でやられるから迷惑なのである。当院ではコロナ検査は予約制だからと説明しても、そんなことはまったく聞かない。

 

文句を言うのなら、最初に診察した医師に言ってもらいたい。そこが検査をしないから、うちのように検査をやっているところにみんな集まってくるのだ。

 

コロナにかかわらないところはまったく関わっていない。たとえるのなら、目の前で交通事故がおこり、死にそうな人がいるのに、「私外傷はできないから」と無視して、通り過ぎてしまう医師のようなものである。たとえ不十分であっても、その医師が対応すれば命を救える可能性が高いのだが、「私には関係ない」とばかりに無視する。

 

最初は大病院に任せっきり。今は周囲のクリニックにまかせっきり。そのような医師は心の底で「どこにコロナの患者がいるんだろうね。」などと思っているに違いない。みんな断っているから、自分のところには来ないだけなのだ。その分、周辺の医療機関が多忙な状態になっているのだ。

 

こちらも、自分のクリニックでこなせるような患者であれば、こんな苦情は書かない。しかし、コロナにまったくかかわらず、「暇だ」とつぶやくような医者がいるから、文句の一つもいいたくなる。心ある医師は、すぐに自院でコロナの対応をしてほしい。一人でもそんな医師がでてきてくれることを期待している。