過去のカルテが一番の財産 | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

20年弱も同じ場所で診療していると、同じ人が何度も受診する。その際に、すばやく診断できるのは、過去のカルテという財産があるからだ。その人が過去にどんな症状で来たか。その時、どういう治療をしたか。その結果よくなったかどうか。

 

個々らへんの情報により、短時間ですばやく診断がつく。

 

慢性上咽頭炎、逆流性食道炎、外耳炎、喘息、アレルギー性鼻炎など慢性的な疾患だと、症状が悪くなったときだけ受診してくる。その際に、過去に同じ症状で来ていないかどうかが、診断の助けになる。

 

同じ病気は繰り返すのだ。同じような症状できている場合には、過去の病気と同じことが多い。

 

薬を処方したあとに、まったく受診してこない人もいる。そのとき困るのはその薬が効いたかどうかがわからないことである。受診していないのだから、よくなったのだろうと判断してしまう。しかし、実際にはなかなかよくならず、他の医療機関を受診して治った可能性も否定はできない。本人に聞いても、「忘れました」と言われることが多い。数年も前の受診を覚えていないのはしかたないことなのかもしれない。

 

過去になんの症状で受診したかばかりではなく、その時よくなったのかどうかも重要な情報だ。カルテにすべてが残っていれば、その診断は容易になる。

 

カルテの通し番号が8万番を突破した。

これだけの患者数がいると、かなりをカバーできる。