ピンポーン♪

綺麗めの服でって言われたけど、こんな格好で良かったのかな??



お店の雰囲気知りたくて"ダテド・ボ・ヌール"を検索してみたけど情報出てこなくて探り探り...




淡いブルーの光沢あるワンピースに白いブーツを合わせてみた。

小ぶりのパールのネックレスに小ぶりのバッグ。



エントランスのインターフォンから涼太の声がしてオートロックの扉が開いた。




取り敢えず家に行けばいいのかな...


改めて涼太の部屋のチャイムを鳴らす♪






玄関が開いて、エプロン姿の涼太が現れた。


『ようこそ、ダテド・ボ・ヌールへ』



…なんだ、そういうことか!!



通りで検索しても出てこないわけだ…


しかし、こんなネーミングのお店になんで気づけなかったかなぁ 💦



「てっきり外食だと思い込んで来ちゃった…なんか場違いな感じになってない??」


戸惑ってる私に



『そのワンピース凄く似合ってる、素敵だね』


って手を取って中へと誘う



いつもの部屋に足を踏み入れると、


お洒落なクロスが掛けられたテーブル、


室内には大小の花瓶が点々と置かれ薔薇の花が華やかさを演出してる。


煌びやかだけどギラギラした派手さはなく大人っぽく気品がある。




『どお?気に入ってくれた?』









《8月》



『舞さん、今日一緒にご飯どうですか?』


「ごめん!今日は先約ある」


『そうですか、それじゃまた次の機会に』



誰と?


って気にはなるけど、そんなこと聞くのはなんか違くて、、


そんな心を見透かされてるのか


「女友達がね、誕生日だからって誘ってくれたの」


と舞さんの方から説明が......



って聞き捨てならないワードに焦る



え! 今何と???



『舞..さん.....えっと..誰の...た、んじょう、び..??」


「私の」


『舞さんの?』


「うん、私の」


『今日?』


「う、うん、今日」



あー、あからさまに態度に顔に出てるよな....


舞さんが気まずそうにしてる...




『つまり、今日は舞さんの誕生日ということなんです...ね?』


「う、、うん、、、」



ダメだこんな態度してちゃ! 気を取り直して、姿勢を正した



『舞さん、誕生日おめでとうございます』


「あ、あり、が、とう、、」



『今日は楽しんできてくださいね』


「...うん」



『あの、明日は僕に時間をくれませんか?』


「明日ね...明日なら大丈夫」


『良かった。いつもより少しだけ綺麗めな服で僕の家まで来てください』




舞さんの誕生日を知らなかったなんて、盲点だった、、


今日のことをグダグダと引きずっても仕方ない。


舞さんには今日1日を楽しく、気分良く過ごして欲しい。



仕事終わったら、デパートに寄って色々買い込まないと!



忙しくなるぞ!!







『舞さん、まつ毛付いてる』





「どこ?」



『取るから目、瞑って』



立ち上がってテーブル越しに手を伸ばす.........





振りをして........






瞼にkissした。







「りょうた!!」




びっくりした舞さんが目を見開いて俺を見る。





『おまじない。 あのピンク野郎から舞さんを守るおまじないだよ』




「もう! からかってるのはどっちよ!」



今度は舞さんの方が真っ赤になってしまった




そして小言は右から左へ受け流す







"守りたいから”









もう!りょうたったら!!


鏡を見るまでもなく真っ赤になっているのがわかる





本当、時々あーいう気障なことするよね。


変な間を作ることもあるし......



だいぶ免疫付いてきたと思ってたのに...





不意打ちはズルいっっ!!