嬉し泣きと悲し泣きって同時にできるんだと知った。
リミッター外しただいきほが圧巻だった。
だいもんと組子、客席の熱量と、ちぎさんたち退団者不在の痛みが入り混じって、わやだった。
非ヅカオタの友人に、「明日ついにだいもんのプレお披露目でさ・・」と言ったら
「うん、覚えちゃったよー。」 と返され、
「客席降りがあって、比較的前方席なんだよ・・・・明日が私の命日かも」 とほんとに真剣に告解したのに
「あー、久しぶりの命日だね。楽しんで♡」
と、すっかりヅカオタの取り扱いを覚えた暖かい友人に恵まれて私は幸せです。
■オープニング
ちぎさんの余韻ぶっとばすぜ!!! 俺だけを見てろ!! 世界のFuto ☆ NOZOMI!!と言わんばかりのだいもんのブイブイシャウトが素晴らしい。
初日、What’s going on ! と叫ばれたときは「おまえがな!!」と客全員が心の中でつっこんだことは想像に難くないが。
こういうベタさをきっちりキメてくれるのが我らがDAIMON!
なんていうんだろう、ちぎさんが郷ひろみなら、だいもんは西城秀樹みたいな感じ。
神奈川ではもちろん、ご当地掛け声は、「神奈川――!!」
待ってた、待ってたよだいもん!!!
コルドバを経てドンジュアンを経て、トップとして帰ってきてくれるのを!!!
客席の爆竹拍手に涙ぐむ。
金銀ギラギラのオープニング。
ありきたりの言い方ですが、人数が減ったのをまるで感じさせなかった。
一人一人が、あいた空間を埋めてやるぜ!!という並々ならぬ気合を感じてすでに涙。
■だいもん客席降り
俺の瞳はダイヤモンド、目をそらすなよ!! というとんでもない俺様ソングをオラる
だいもん。
狂喜乱舞する前方客席with me。
ただ、「”ド”ラマティーっク!!」の 「ド」のところでだいもんが、急にでかい声出して圧かけるもんだから、やられたお客様、目をそらさないっていうか、普通にびっくりして金縛りになってて思わず吹き出した。
同期のキングが 「だいもんは中学生男子みたいなはしゃぎ方をする」 って言ってたのをふと思い出しました。
■show star sho
ホッタイのお衣装来てオラオラする翔ちゃん。(彩凪翔 あやなぎしょう)
別の方が「オ゛―!!!!」っという翔ちゃんの濁点の付くか掛け声にたぎると書いてらっしゃって、首がもげんばかりにうなづいたのだが、とんでもなく綺麗な顔面をものともせず、舞台中央をぶった切って突っ込んでくるあの低い熱い翔ちゃんの掛け声、大好物です。
ロックバリバリの恐ろしく速いテンポの曲をごりごり踊ってて、え?これ雪組??ってなった。
舞台上手一番端とその左にいた下級生、顔芸でオラってて最高だったよ。
キャレン姐さんの、ヒメばりのかっこいい歌声が聞けて、もはやありがとーーー!!って叫びたい。カレン姐さんは歌うまとか歌姫とかいう言葉ではなく、謹んで「ディーバ」という称号を贈らせていただきたい。
■サプール
がおたんのきびきびしたダンスをものすごく恋しく思ったけど、新・ギャルソン陣もかっこよかった。
ギャルソンの一番上手は日和春磨君? 金髪のものすごいしゅっとしたメイクで見惚れた。
真彩ちゃんの絵画の女は、大劇場版よりずっと表情がついて自由になってた。
生き生きして、からかうように望海さんの周りをまわるのがかわいい。
■サンライズ
みんなのお兄さん、まなはるの、切れのある子気味いいオープニング、安心するわー。
ショッキングピンクのプリンセスドレスでくるくるまわる娘役群舞、0番で出てくる真彩ちゃん、ロングの鬘がキュートでとてもよく似合っている。
サイドにはピンクの花飾り、後ろはピンクのリボンとスパンコールがクロスを描くように交差してて動きがついててセンスいい。
他の娘役さんドレスはハイネックだけど、真彩ちゃんのドレスはがっつり胸明けでなまめかしくてグっ!!
振りにあわせて、あるときはにっこり微笑んだり、大きく目を見開いたり、色っぽい表情をしたり、・・とくるくる表情を変えて、目が離せない。
あゆみねーさんを中心としたキレキレピンク舞踏団も健在で、きたーーー!!って安心する。客席降りから帰ってくる組子に、真彩ちゃんが両手で投げキッスしてかけるのがとんでもなく愛らしい。そして、
だいきほシーン、スパーク。
噂には聞いていたが、黄金のカメレオン衣装来ただいもんが超至近距離でまあやちゃんに投げキッスをブッこんだだけでものけぞったのに、ピンクプリティプリンセスな嫁も負けじとだいもんにがっつり投げキッス返礼してておったまげた。
この夫婦、関西人? (いろいろすごく失礼)
そのあと、だいもんの掛け声に併せて、あーい!!って掛け声出してバっキバキに踊る真彩ちゃん。
はっちゃけた掛け声も下品になってないし、きれいなスカートさばき、しなやかなダンスと相まってかっこかわいい。
ちぎみゆ夫婦とのあまりの緯度の違いには驚いたし、賛否両論は多々あることは承知してるけど、振り切っただいきほ、土石流の如し。
とにかく熱量が凄い。
中詰めのあとの、だいきほの二人のシーンは今度はひたすらアダルティ。
ムーディーな曲で、夜の中抱き合い「愛し合って」「二人で海を渡ろう」って・・えーとそれはあの、生命の誕生・・的な・・・・・恍・惚的な???
ちぎみゆが、特にちぎさんが抑えたエロスだったのに対して、だいきほは肉感的なエロスを前面に押し出してくる。
穏やかなまどろむ夢だけではなく、嵐のような情熱も、宝塚が見せる夢のまた別の形だと私は思う。
■ロケットボーイ
たわし。(陽向 春輝 ひなた はるき)
花組のつかさ、月組のれんこんと同じで、組ファンに無条件に愛される雪組子、たわし。
もう、そのジェンヌ感丸出しの色気のないあだ名もかわいいし、コンパクトで愛嬌のあるくりくりお目もソー・キュート。
全身全霊で 「ワンダフ--ル!! マーベラース!!」 って歌うもんだからこっちも笑っちゃう。
あまりにも張り切りすぎて、振り付けのKAZUMIboy先生に 「思いが重い」と言われ、稽古場映像でもうしろに座ってる羽織夕夏ちゃんとうきちゃんに思いっきり笑われてるたわし。
そのひたむきで熱い一生懸命さ、ジェンヌの鏡!
■希望
忘れようがない、グリーンお衣装の「絆」シーン。
見事に新生雪組仕様に変わっていた。
だいもんがI go the way、「僕が吹かせる風は」 (風斗だから?) 「僕が吹かせる新しい雪は」 と歌いだすのを見て、本当に新生雪組になったことがわかった。
音楽・青木朝子先生、曲が本当にいい。かのエキサイター作曲の先生である。
スピーディーでキヤッチーなメロディー、懐かしさのある電子音がビートを刻んでいたり、マイナーコードなのに明るさと広がりを感じさせる曲で、ちょっとキマグレンのライフを思い出した。
新しい未来へ、ちぎ雪組の勢いとスピリッツをそのままに絶対つないでいくんだ、という勢いとなみなみならぬ決意を感じた。
そうして、感じれば感じるほど、うれしさや期待と同時に、たまらなく切なかった。
「つないだ手を離さずに・・・〇〇」 というところは絆のちぎさんとだいもんのパートからつながっているし、振り付けも絆を思い出すフォーメーションがある。
二か月足らずという期間は、整理しきるには短かすぎる。
全てを吹っ切るように踊りまくってるだいもんと組子たちを見ながらただ泣くしかなかった。
真彩ちゃんが、ちぎさんなみのジャンプで思い切り飛び跳ねていたのが可愛くてとても新鮮で、なんだかとてもありがたかった。
総じてせつないほど力業の、新生雪組の白眉となる素晴らしいシーンだった。
ただただ、衣装だけ・・やっぱり新しい緑にしてほしかったです。
■黒燕尾
個人的には、黒燕尾が一番胸にこたえた。
だいもんが歌う見事なベサメムーチョと、低い階段で踊る黒燕尾。
大劇場版よりもう少しゆったりした余裕があって、ラテンっぽい雰囲気が少しだけ強くなったように思えた。ちゃんとだいもんの黒燕尾になってた。
だけど、背中のSのスパンコールを見たとき、どうしたって早霧さんの残像が見えた。
トップ期間中にみるみるやせていったちぎさんの体、それを全く感じさせない男役のシルエットとストイックでシャープな身のこなし、身を振り絞るような切実な歌声。
だいもんの黒燕尾前の濃厚な投げキスは、胸にぽっかりあいた空洞にストレートに刺さった。
■デュエットダンス
こんなに歌い踊るデュエットダンス初めて見た。
リフト決めた後で、瞬時に同じトーンで歌いだすだいもん、さすが。
また真彩ちゃんが、いつのまにリフト乗ったの?? え、羽??ってぐらいスムーズで軽やかで・・・。初のデュエッとダンスとは思えないほどの安定感。
(ありがとう、ありがとう。真彩ちゃん本当にありがとうご゛さいます。)
だいもんの深みのある声と、意外に陰りのある響きを持つまあやちゃんの声がよくなじむ。ジャジーな曲はちょっと聞き取りにくかったかな。
■コーヒールンバ
娘役シーン、ここも変わってなくてほっとする。
で、ずらっと一列に並ぶシーン、あーい!!ってひときわ大きな声をあげてノリノリなのが、みとさん!!!
組長----------!!!!!
また笑顔がよくてねえ・・・。ほんっとかっこいいです!!!
■フィナーレ
はおりん(羽織夕夏)、とても素敵な声。
船出を意味するような歌詞に代わっていて胸が熱くなる。
生き生きと頑張ってた下級生にも、しっかりと舞台を占めてたリーしゃやまなはる、おーじくん、それから二番手の役割を危なげなく果たし、どっしりとした要になってくれた翔ちゃん、拍手が鳴りやむことはありませんでした。
だいもんの大羽根に至っては、もう言葉がない。
新生どSは、全体的に、「俺色に塗り替えてやるぜベイベー!!」って、馬乗りになって私たちの傷をえぐって無理やり埋めてくれるような、濃さ、強さ。
その心意気が頼もしくて、うれしくて、切なくて。
ちぎみゆの退団で茫然自失としていた私に、先輩のヅカ友さんが声をかけてくれた。
壮さんを見送った、今も雪組のファンでいる方だ。
最初は贔屓のいない舞台を見ること自体がつらかったと。
だけど、雪組のルパン、花組のエリザ、ファンタジアと宝塚の舞台を見続けて、壮さんが愛した雪組子・花組子の魅力と、宝塚の作品力に救われた、と教えてくれた。
「だから大丈夫、翔咲ひとこたちが、ちゃんと成長した姿をみせてくれるから。
またちゃんと次の素敵な舞台に会えるから」
宝塚は、こういう言葉をかけてくれる方が見続けている場所なんだと知った。
笑って泣いて手をたたいて、沢山沢山見送って、沢山沢山止まることなく生まれ続ける場所なんだと。
「壮さんが卒業した後も幸せな宝塚ライフだったし、素敵な瞬間に沢山会ったよ。
まだまだこれから素敵なことがたくさんあるよ」
宝塚ファンの末席に座らせていただいて、三年、幸せしかなかった。
だからその言葉も信じられる。
(ま、それを人は沼とよぶんですけどね・・・)
目をそらさずに見つめて参ります。ひかりふる路を。
(頼んまっせ、生田大明神!!)