「は~い、笑って笑って~!はい、チーズ!」
パシャ!
・・・私はこの「笑って笑って~」がとてつもなく苦手だった。もちろん、写真自体も嫌いだった。
口角を上げることはできるけど、歯を出していいのかどうかわからない。
そもそも、目が笑っていない。致命的。
何もないのに「笑う」なんてできない。
というか、以前の私は、何かあっても笑うことが困難だった。
笑うことどころか、怒ったり悲しんだり、そういう感情という感情を外に出すことが苦手だった。
ポーカーフェイスといえば、かっこいいかもしれないが、感情表現が苦手なだけだった。
そんな私を変えたのは、子供の存在だ。
知っているだろうか、子供って問答無用に笑いかけてくることを。
まだ言葉もしゃべらない赤ちゃんが、赤ちゃんなりに楽しいことやうれしいことを見つけて、ニコニコと笑うのだ。
その笑顔は至上の笑顔だ。
かわいらしくて、あったかくて、つられて、こちらも自然に笑顔になる。
次第に大きくなっていく子供に、にっこりと微笑みかけると、子供もにっこりと微笑み返す。
笑顔は笑顔を呼ぶのだ。
私と子供は笑顔でコミュニケーションを取ることがよくある。
まだ保育所のころ、私は具合が悪くて、横になっていたのだが、そんなとき子供が、私ににっこりと笑いかけてきた。
その時本当にしんどかったので、笑いかけることもできなかった。そうすると
「何で笑ってくれないの?」
といった。
あぁ、そうか。笑顔には笑顔で返さなければならないのだな。
笑顔はいい。
笑顔になるだけで、本当に明るくて優しい気持ちになる。
感情表現が苦手だった私だが、ある時の精神科の医師に
「朧月さんは、いつもにこにこしていますね。癒されます」
と言われたことがある。
そんな笑顔が自然に出せるようになったのは子供のおかげだ。
つらい闘病生活を送っているとついつい忘れがちになる笑顔だけれど、笑うって悪いことじゃないし、少しでも気分が明るくなるなら、笑顔になってもいいんじゃないかなって思う。
☆笑う門には福来る!☆

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