こうしてこの記事を書こうと、パソコンに向かっているだけで、あの時のつらい気持ちが鮮明に蘇る。
あの時とは、4度目の入院の時のことだ。
主治医は説明下手で説明不足の医者だった。
私が薬に固執しているとか、私に非があるように言われ続けた。
病院、しかも入院という特殊な環境で、そんなことを医者から言われると、やはり私が悪いのかと思っていた。
入院中、ある薬がどうして処方されているのか、何を目的にされているのか、とわからなくて、説明を求めたのだけれど、例によって説明は不明瞭。
納得できなくて、質問をし続けたのだけど、あまりのわからなさに私はあきらめた。そして、
「説明がない薬は飲まない」
そう決めた。
やがて退院して、元の病院の主治医の先生のところへ戻った。
飲まないと決めた薬の説明を先生はさらっとわかりやすく説明してくれた。
けれども、入院中の抵抗感から、その薬はもう飲みたくないと主張した。
先生も納得して無理には処方しないと言った。
具合が悪くなるとその薬を処方しようか?っていうときが何度かあったが、そのたびに入院中のことが思い出されて、とても辛い気持ちになる。
日常。ふとした瞬間に、入院中の記憶が、ぐっと鮮明に蘇ることがある。
その時の感情があふれ出てきて、もう何年も前のことなのに、まるでまたそこにいるかのようにつらくなる。
人間というものは不思議なもので、「つらい」という記憶が、同じような「つらい」記憶を引き寄せる。
この時の対処法。それは、「楽しいことを思い出す」だ。
この方法は夫の手法なのだが、つらいことを思い出してしまったら、無理やりにでも楽しかったこと、うれしかったことなどプラスの記憶を思い出す。
そうして、脳の回路を、マイナス記憶からプラス記憶のほうにつなぎかえる。
これは訓練がいるものだ。
私も今完璧じゃないので、入院中のつらい記憶が蘇ると、なかなか切り替えができない。
ひとたび思い出してしまうと、涙が止まらなくなり、本当につらかった。
しかし、今は気分が悪くなることはあるが、泣くことはほとんどなくなった。訓練のたまものだと思う。
これが意外に使える手なので、みなさんもつらいことがあったら、試してほしい。

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