以前、アイデンティティという概念を提唱した、エリクソンの話をさせて頂きました。
その時、アイデンティティ確立の要因として…「今の自分と昨日の自分、明日の自分は続いていると理解出来ること(連続性)」という側面を挙げました。
今日はこの連続性について、お話したいと思います。
例えば、現在休職中でカウンセリングに来られる方は、休職前は過剰適応だったという方が殆どです。
これを時系列で表すと…
過剰適応していた自分(過去)
疲れて休憩中の自分(現在)←受容困難
となります。
この人達が目指す未来は、「過去以上にタフになって、これまでと変わらぬ仕事をこなす自分」あるいは、休職期間が長くなってくると、「遅れを全てチャラにしてもまだ余るくらいの大躍進をする自分」です
これらを大真面目に考えていて、現在の自分にはっぱをかけているのです
彼(女)らは、現在の自分を受容出来ていないので、過去と現在は連続して捉えにくく、そんな現在から想像する未来もまた、現状とはかけ離れたものとなっています。
「以前よりは手を抜いて、無理をしない自分」
これが過去の教訓を踏まえて現在の自分が描く未来の自分、連続性のある自分と言えるでしょう。
そんな自分にOKを出してしまったら、とんだぐうたら野郎になってしまうのではないか
これまで頑張ってきた自分が無意味になってしまうのではないか
そう心配された方は、ご安心ください。
疲弊するまで過剰適応してしまう時点で、根っこは十分過ぎるくらい真面目です
「こんなに手を抜いても大丈夫なのか」と不安になるくらいでも、依然として「以前よりは角の取れた、真面目な頑張り屋さん」なのですよ
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