アイデンティティという言葉は、エリクソンが自身の発達理論の中で提唱した言葉です。
彼は子ども時代から大人へ向かうための集大成として、アイデンティティの確立が重要だと考えました。
アイデンティティとは、「自分とはなんぞや❓」に自分なりの答えを見い出すことですが、もう少し詳しく説明すると…
自分はオリジナリティ溢れた存在であり(不変性)、今の自分と昨日の自分、明日の自分は続いていると理解出来ること(連続性)。更には自分の思う自分と、周囲から見えている自分に大きな違いがないこと(帰属性)。
…そう無理なく思える中で湧き上がる自信の事です。
カウンセリングの中では、このアイデンティティの問題が最重要課題となる事もしばしばです。
私だって若かりし頃は、アイデンティティの問題に悩んでいましたヨ
そして何より、アイデンティティを提唱したエリクソン自身も、この問題と必死で向きあっていたのです。
エリクソンはユダヤ系デンマーク人の母の元、ドイツで生を受けました。実父は明かされていません(デンマーク人芸術家と言われています)。彼はユダヤ人コミュニティからは北欧系の容姿という理由で弾かれ、ドイツ人コミュニティからはユダヤ系という理由で弾かれ、幼少時より、所在の無さを体験してきました。美術系の学校に進学するも、卒業せずに放浪していたところ、精神分析に触れ、精神分析家として歩み始めます。しかし第二次世界大戦が激しくなると、ナチスドイツの迫害を逃れるため渡米を余儀なくされ、アメリカで問題を起こす青年達の心理療法に従事するに至りました。
そんな彼の出生や臨床経験全てが、彼の発達理論に繋がっていったのです。エリクソンは、自身の体験を通して、アイデンティティ確立へ向けての道しるべを、社会に示してくれた。
私はそんなふうに思っています
追伸
アイデンティティ確立へ向けての具体的なお話は、また後日、改めてお話させて頂きたいと思います。
その時はまた、お付き合いくださいネ
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