前回、母を連れて認知症疾患医療センターに通ったお話をしました。
病院はいつも午前中だったため、終了後は毎回、母とランチに出掛けました。
病院通い3回目終了後のランチ中の会話です。
当時実家には、9歳になるタロちゃん(ポメラニアン犬)が居ました。母は「我々夫婦は、犬無しでは会話が成立しない。だからタロちゃんが死んでしまったら、また犬を飼いたい。しかし次の子は最後までお世話出来るか分からない。その時は○○(私)が代わりにお世話をしてくれるか❓」…というお願いでした。
母は当時70歳そこそこ。タロちゃんを最後までお世話出来ると思っていたのでしょう。それにしても、次の子の心配までしていたのかと、正直ビックリでした
母は物忘れの不安を口にするものの、自分が認知症だとは疑っていなかったのか…。
もしかしたら、その事実を認めたくない一心で、心が防衛していたのかもしれません
4回目の通院で医師より、「アルツハイマー型認知症です」と母の目の前で告げられた際も、母は「物忘れって、誰にでもありますよね❓」と、とんちんかんな質問を返していましたから…
その後、会計を済ませて病院を出る頃には、医師との会話はすっかり忘れ、風邪をひいて調子が良くない私の体調ばかり、母は気遣っていました。
「私の風邪は治る。でも、お母さんの病気は治らない」
その時の私は、心の中でそう、叫んでいました。
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