母がアルツハイマー型の認知症と診断を受けたのは、今から約5年前ですが、今から思うと、診断を受ける2年程前から、その兆しは現れていました。

最初は「体重が減った」「どこか悪い病気ではないか」という訴えでした。しかし複数の病院で検査をするも、特別に異常は見つかりません。

しかし母はそれを聞いても安心せず、不安は高まるばかり。仕事を終えて携帯を見ると、複数回、母からの着信履歴が残っている事もありました。

「これは心の方やな」と思い、学生時代に病院実習でお世話になった先生が開院されたクリニックの予約を取り、母を連れて行きました。

診察室に入り、体重計に乗ってくださいと言われた時、「上着は脱いだ方が少しでも軽くなるかな❓」とおどけてみせる母を見て、強い違和感を覚え、これは心の問題だと確信しました。

母は当初より「物忘れ」を訴えてはいたものの、通常の加齢によるもの。あるいは、抑うつ症状に起因するものだと思っていました。

当時は長谷川式認知症検査(質問形式の認知症検査)をしても、問題無しと判断されるレベルでした。ただ認知症の初期症状として、強い不安を訴える方は居られるので、様子を見ていきましょうと、クリニックでは抗うつ薬を処方され、母の通院生活が始まりました。

後にクリニックより紹介された病院で受けたMRI検査でも、明らかな脳萎縮はないと言われていたのです(これは診断を受ける1年弱前)。


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