秋田に来て3日が過ぎた。書きたいことはいっぱいあったけど、指が動かなかった。不安で不安でしょうがなかったんだ。栃木を離れる実感が湧いたのは、サプライズで送別会をしてもらったぐらいから。ほんとに行くんだ、行くしかないんだと踏ん切りをつけた。うれしかったな、みんな俺なんかの為に集まってくれて。泣き出して止まらないやつなんかもいたし。心からありがとう。引き返せない、振り返れないとこまで来ちまったと想った。ただ、ほんとに不安で切なくて胸が苦しくなるのは彼女の事。駅のホームで別れ際に泣かれた瞬間はキツかった。電車の中で、これでもかってぐらい泣き続けた。一生逢えなくなるわけじゃないのに。俺には特別な存在なんだ。お揃いの指輪を棄てられなかったのも、写真をとっておいたのも、あの日あの場所で偶然逢ったのも。なにもかもが運命で必然だったんだよね。送別会の帰り道、ベロベロに酔っ払ってたけど、あの時に言った言葉は嘘なんかじゃないよ。僕は君を愛してる。
転勤が後2日に迫った。まだ実感がまるでない。最後の出勤も淡々とこなして終わった。なんの未練も残さないままこの土地を離れていく決心をしていたのに。
今まで俺に会いに来てくれてたお客が、最後だからと顔を出して色紙をくれたり、最近仲良くなったやつらからプレゼントを貰ったり。今まで愚痴ばっかりさんざん書いてきて、最後の最後にこれかよ。未練タラタラになっちまうじゃねぇか。
しかも、転勤を目前にして告白された。前の彼女にだ。白目を剥くとはこのことだろう。心のどこかにずっと気持ちがあったから、素直にこちらこそ宜しくと返事したよ。隣で寝てる姿が愛おしくて、なかなか眠れなかったけど。目を見て向き合ってよかった、逃げなくてよかった。遠距離に耐えられるか心配だけど、支えがある俺は強いよ。
闘う事なのか?護っていく事なのか?テレビで流れた唄が頭をグルグル。護りに入ってしまうのは逃げている事のように想ってしまう。今がまさにそれ。護って護って転勤が正式に決まった。護ったというよりは、棄てたともいう。このなんの変哲もない日常を護り、小さなプライドを棄てた。何度も何度も歯を食いしばって手に入れたもの。それは自由なのか孤独なのか。大勢に囲まれていても、孤独を感じる事が多いし、ずっと独りみたいなもんだったから慣れっこだろう。これからは何に向かって歩いていくんだろう。今はどこを歩いているのか分からない状態。ここに来て得たものはなんだったんだ?少しは成長できてるのかな。誰か教えてください。