こっちに来て、10日が経つ。初めは帰りたいって想いだけが頭ん中を占領していた。その気持ちは今も変わらないけど、時間は止まらずゆっくり進んで、気がついた事がたくさんあった。電話の大切さ、メールや写メの暖かさ、当たり前のように居てくれた周りのみんな。そして大きな彼女の存在。我が儘で、自分勝手なツケが回ったんだ。それに気づかされただけでも、得た物はあった。やっぱりいつも傍にいてくれないとダメみたい。人間独りきりじゃ生きていけないなんてよく言うけど、俺は特にそうなんだ。独りじゃなんにもできない、ろくでもない男なんだよ。いつまでこの不安に悩み苦しみ続けるんだろう。目の前に暗闇だけが広がっているように想える。怖くて怖くて。待ってくれてる人達と、声が繋がってる瞬間だけ、その現実を忘れられるんだ。
我慢できずに、気がつけばリダイヤルの画面。なにも用事がないのに、気がつくと電話をかけてしまう。元気貰って、切なくなって、前を向く事が出来て、逢いたくなる。近くに居るんじゃないのかと錯覚して、電話を切った瞬間、遠く離れている現実に悲しくて胸がギュッと苦しくなる。ずっと目を見て、寄り添って、抱きしめてたいんだよ。
いつになったら逢えるかな?電話越しじゃない声が聞きたいよ。
ずっと頭ん中をグルグル。自分にとっての幸せってなんなんだろうか?壮大なテーマ。今この現状。付き合い直した彼女とすぐ離れてしまった虚しさ。こんな状況じゃなきゃこんな風になっていなかったんじゃないかって言い聞かせた。そうなんだと想うし。でも残酷だよ。仮の話、もしここに連れてきて一緒に住むとしたら。色んな物を置いてきてもらうという大きな責任。毎日居て飽きてしまったら。仕事だって0からのスタート。色々な問題がある。そもそも、それらをひっくるめて僕に付いてきてくれるのか?僕はそれを背負う事ができるのか。全部置いてきた、飽きた、もうなにもないと想ってたあの場所に今は戻りたくて仕方がない。後輩達と話したい事だってたくさんあった。いつも一緒にいすぎて、いつまでもつるんでるんだって想ってたから、まだまだ話の消化不良だ。でも、戻ったところでみんなに合わせる顔なんかないし、どうせすぐなあなあになる。離れてるけど頑張ってるって姿を見せたい気持ちだってもちろんある。頭では理解してるんだ。分かってるんだよ。ただモヤモヤした想いは止まらないんだ。僕はどうしたらいい?我慢して、我慢して、その先になにがあるんだ?寂しくて、切なくて、もう涙も枯れた。隣に居て欲しいよ。それだけでいいんだ。他には何もいらないからさ。