カワウ

 

 仕事を終え、夕方近くの満潮時に慣れ親しんだ河川へ”寄鳥(撮)見鳥(よりどりみどり)”しました。

 羽根を乾かし終えたカワウが採餌にいつものように出かけしばらくして、水面がにわかにざわめきたったと思った瞬間、くちばしに大きなウナギをくわえて水面に顔をだしました。捕らえてみたもののウナギの必死の抵抗で四苦八苦している様子で。何回も取り逃がしては再度捕まえるという大捕り物でした。

 

 

 

 

 

ササゴイ

 

 先般投稿した緊張感と忍耐の採餌中のササゴイですが、時たまその緊張感をほぐすかのようにみせる表情が、たまらなく”変”でした。

 

 

 

 

 

 今日から、二十四節気「小満(しょうまん)」の初候「蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)」(二十二候/七十二候)(5/20~5/25)となります。暦の上では、蚕が桑をさかんに食べはじめる時季とされています。かつて農家では蚕の世話と田植え、そして地域によっては麦の収穫も重なって、猫の手も借りたいほど忙しい時期でした。ちなみに「小満」とは、あらゆる生命が満ち満ちていくことをいい、太陽の光を浴び、万物がすくすく成長していく季節にあたります。

 田植えがすんだこの時季になると、日中でも田んぼや草地のあちこちからヒクイナの鳴き声が微かに聞こえてきます。さらに夕方近くともなると、よりはっきりと聞こえてきます。その鳴き声は、暮れなずむ里山の田園風景に溶け込み、どこか懐かしくもあり、なんともいえない情感を呼び起こします。

 

ヒクイナ(別名コンコン鳥)

 

 

 

 里山の原風景が今もわずかに残る清流の両岸に広がる田園地帯では、すっかり田植えが終わり、整然と植えられた小さな苗が初夏の風に揺られていました。あれほどまでに騒々しく聞こえていた子育て中のモズやケリの親鳥達の警戒音も、ヒナたちの独り立ちが近づき、ほとんど聞かれなくなりました。代わって、オオヨシキリや本格的な繁殖期を迎えたヒバリたちのリズミカルな鳴き声が澄んだ青空にこだまし、さらに田園地帯に点在する”島”や草地から、これから繁殖期を迎えるキジやヒクイナの鳴き声が聞こえてきました。

 

モズ(幼鳥)

 

 日中の汗ばむほどの初夏のあたたかな陽気に誘われて、親鳥に見守られながら、巣立ったばかりの幼鳥たちが木陰から陽のあたる樹の枝にとまっている姿が頻繁に見られるようになりました。

 でも、あたたかな光に包まれて、まだ”おねむ”です。

 

 

 

 

 

ゴイサギ

 

 カワウやコサギさらにはササゴイが採餌に精を出しているかたわらで、だらしなくくちばしの先に毛繕いの痕跡を残し、その場を一歩たりとも動こうとしないゴイサギ。肝が据わっているというのか、はたまた鈍感なのかは定かではありませんが、正に動かざること”川のペンギン”が如しというところでしょうか。