里山の原風景が今もわずかに残る清流の両岸に広がる田園地帯では、すっかり田植えが終わり、整然と植えられた小さな苗が初夏の風に揺られていました。あれほどまでに騒々しく聞こえていた子育て中のモズやケリの親鳥達の警戒音も、ヒナたちの独り立ちが近づき、ほとんど聞かれなくなりました。代わって、オオヨシキリや本格的な繁殖期を迎えたヒバリたちのリズミカルな鳴き声が澄んだ青空にこだまし、さらに田園地帯に点在する”島”や草地から、これから繁殖期を迎えるキジやヒクイナの鳴き声が聞こえてきました。

 

モズ(幼鳥)

 

 日中の汗ばむほどの初夏のあたたかな陽気に誘われて、親鳥に見守られながら、巣立ったばかりの幼鳥たちが木陰から陽のあたる樹の枝にとまっている姿が頻繁に見られるようになりました。

 でも、あたたかな光に包まれて、まだ”おねむ”です。