今日から、二十四節気「小満(しょうまん)」の初候「蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)」(二十二候/七十二候)(5/20~5/25)となります。暦の上では、蚕が桑をさかんに食べはじめる時季とされています。かつて農家では蚕の世話と田植え、そして地域によっては麦の収穫も重なって、猫の手も借りたいほど忙しい時期でした。ちなみに「小満」とは、あらゆる生命が満ち満ちていくことをいい、太陽の光を浴び、万物がすくすく成長していく季節にあたります。

 田植えがすんだこの時季になると、日中でも田んぼや草地のあちこちからヒクイナの鳴き声が微かに聞こえてきます。さらに夕方近くともなると、よりはっきりと聞こえてきます。その鳴き声は、暮れなずむ里山の田園風景に溶け込み、どこか懐かしくもあり、なんともいえない情感を呼び起こします。

 

ヒクイナ(別名コンコン鳥)