読みきかせ【4年生】(3月) | 水脈のブログ

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読みきかせ記録(絵本等の紹介)と、自分の心に生じた想いや、刻まれた記憶を思いつくままに綴っています。
当ブログ開設当初から好きだった東方神起やジェジュン、ユンジェに関して。そして、2021年以降は、防弾少年団(バンタン:BTS)のことに、思いを馳せることも。



今年度最後の「お話タイム」

担当したのは、4年生のクラスでした。


4年生は、国語の授業で

小林豊さんの

『せかいいち うつくしい ぼくの村』


を学習したところでしたので、

続編にあたる

『せかいいち うつくしい村へ かえる』

(ポプラ社)


を読もうかと持参していたのですが、

教室内に、該当の絵本が

並べて展示してあったので、

改めて紹介する必要もないだろうと

急遽とりやめました。


当校では、

テーマが設定されている回を除き、

選書は読み手に任されています。

ボランティアのメンバーの中には、

『ごんぎつね』

『もちもちの木』等、

担当校で採用されている

国語の教科書に掲載されて作品を

あえて、読まれる方もいらっしゃいます。

でも、世の中には、

数えきれないほどの作品があるのに、

教科書に採用され、

子どもたちも何度も音読しているような作品を

限られた機会の「読みきかせ」時に

あえて選ぶ理由が、私にはよくわかりません。

(ただ、メンバーの中に、

アメリカ出身の方がいらっしゃって、

1年生の教科書に掲載されている

『おおきなかぶ』の英語版

“The Enormous Turnip ”

を読まれるケースもあり、

それは、むしろ、

😊👍 と納得していますが)


また、

該当学年で学ぶ掲載作品の関連として、

同作者の別の作品や、

担当校採用教科書以外の

他の出版社において

同学年教科書に掲載されている作品を

読むことはありますが、

今回のように、

担任の先生が

すでに紹介されているような場合は

避けるようにしています。


ちなみに、私の

「読みきかせ」の選書条件は、

・設定された制限時間に読める長さか?

・対象学年は?

・季節や学校行事開催時期に合っているか?

・(朗読ではなく絵本を選ぶ場合)

 遠目からでも絵がよく見えるか?

・(入学以降現在の学年に至るまでに)

 他メンバーが、すでに読んだ作品ではないか?

等です。


前置きが

やたら長くなりました😅

今回読んだのは、

予備として持参していた以下の2冊です。


『こいぬのうんち』

クォン・ジョンセン 文 

チョン・スンガク 絵

ピョン・キジャ 訳  (平凡社)


『ともだち』 太田大八 (講談社)


この4年生のクラスでは、

昨年10月にも韓国の作家

ペク・ヒナさんの

『あめだま』


を紹介しているので、

『こいぬのうんち』は、

韓国絵本紹介の第ニ弾 

といったところです。


「うんちくん」は、

スズメや土塊等の他者から

「きたない」と蔑まれ、

自分のことを

「汚くて、何の役にも立たない」

と卑下し、悲しみにくれています。

そんな「うんちくん」のそばに、

春の訪れと共に

「たんぽぽ」が芽を出します。

「たんぽぽ」から

きれいな花を咲かせる と聞いた

「うんちくん」は、

心からうらやましく思います。


「たんぽぽ」は続けて話します。

花を咲かせるために必要なものは、

空から降ってくる雨と☔、

暖かい太陽の光☀️

の他に、

「それとね、もうひとつ

ぜったいに ひつようなものが あるの」

と告げます。

「それはね、うんちくんが こやしに

 なってくれることなの」

「うんちくんが ぜーんぶ とけて、

 わたしの ちからに なってくれることなの。

 そうして はじめて、わたしは 

 おほしさまのように きれいな はなを

 さかせることが できるの」


他者のための自己犠牲の物語

とも受け止められるのですが、

何の役にも立たないとあきらめて自分が、

誰かの役に立てる

何も成し遂げられないと思っていたのに、

花を咲かせる力になれると知ったことは

「うんちくん」にとって

「喜び」でした。

他者を活かし、輝かせることで

自分自身をも活かせる

それを作者は「愛」と呼んでいます。


10歳である4年生にとって、

人生はこれから。

自分が何者なのか?

どんな花を咲かせるのか?

まだまだ手探りでしょう。

自分のため を思うだけでなく、

他者に役立つために と考えることで

人生の展開が広がることもあると思います。

きれいな花を咲かせることができる

といいですね。


『ともだち』は、

谷川俊太郎さんの作品も良いのですが、↓


ちょっと長くなるので、

今回は

太田大八さんの作品を読みました。


小学校の同級生数名と、

その20年後の様子を描いたものです。


「ぼく、やまぐち よしはる」くんは、

自己紹介で

「28歳」と言っていますので、

小学校時代は、

2〜3年生の設定かもしれませんが、

「1/2成人式」で将来の自分を考える

4年生にも、以前何度か

この絵本を紹介しています。


子どもたちは、

大きくなったら、なにになるのか

将来の自身のことに

想像をめぐらすでしょうけれど、

大きくなる時期はとうに過ぎて、

(最近は逆に縮んでいる?)私などは、

小学校のころは…

と思い出そうとしても、

忘れてしまったことの方が多いです😑

それでも、

偶然バッタリ同級生に会えば、

苗字ではなく、

「〇〇ちゃん」や「〇〇くん」と、

当時の呼び名で呼びかけてしまう

「同級生」って、

不思議で、懐かしい存在ですね。

でも、

いじめられたり、

いじめたり と

人間関係がこじれていると、

「懐かしい」なんて

浸っていられないことでしょう。

当時

いじめられて、

苦しんでいた娘に

気づくこともできなくて、

悩みを分かち合うこともできなかった私、

心から申し訳なく、後悔している私が

できることといえば、

誰にとっても、

「思い出」が、

苦く、悲しいものばかり

になってしまわないよう

現在を生きて と

願うばかりです。