読みきかせ【小学校5年生】(2月) | 水脈のブログ

水脈のブログ

読みきかせ記録(絵本等の紹介)と、自分の心に生じた想いや、刻まれた記憶を思いつくままに綴っています。
当ブログ開設当初から好きだった東方神起やジェジュン、ユンジェに関して。そして、2021年以降は、防弾少年団(バンタン:BTS)のことに、思いを馳せることも。



連休も明けて、

小学校での読みきかせ

「お話タイム」も再開しました。


今週の私の担当は、

5年生のクラスでした。

2月 と言えば、

3日 節分:鬼👹 と

14日 バレンタインデー:愛❤️

が思い浮かびます。

というわけで、選書したのは、


『ももからうまれた おにたろう』

作 リリー(見取り図)   (サンマーク出版)


そして、

10分間の持ち時間の内、

少しだけ、時間が残っていたので、

もう1冊


『さるがいっぴき』

(月刊 こどものとも 2018年8月号)

MAYA MAXX  (福音館書店)


『ももからうまれた おにたろう』は、

タイトルからも推察できるように、

日本の昔話 

「ももたろう」を下敷きにしています。

「ももたろう」のお話は全員知ってるだろう

という前提で、選書しました。

もっとも、

『ももたろう』自体、

岡山県が発祥の地と言われていますが、

日本各地に伝わる昔話で、

そのストーリーの細部は、

少しずつ異なっています。

また、

明治以降、

戦前、戦中には、

政治的な意図を持って

教科書に掲載されていたという

歴史的側面もあるので、

一筋縄ではいかない物語なのですが…

作者不明のまま伝承されてきた昔話ではなく、

作者が創作した「ももたろう」も多数あります。

(絵本においても、一般的に、

「再話」と表記されている場合には昔話、

「作」とか「文」とか表記されている場合は

創作と考えて良いと思います。)


この『おにたろう』では、

おばあさんが、

病にたおれ、

しばらく寝込んでしまったため、

川で拾われるはずの桃が、

誰にも手に取られないまま、

鬼が島に流れ着いてしまう

というところから物語が始まっています。


昔話の形式に則って、

むかし、むかし、あるところに

で始まり、

めでたし めでたし

で締めくくられていますが、

鬼を成敗する

というお話ではなく、

血の繋がっていない親子、

「鬼」と「おにたろう」との情愛

という現代的なテーマを取り扱った物語で、

子どもたちも違和感なく、

お話の世界に入り込めた

のではないかと思います。


作者のリリーさんは、芸人さんで、

見取り図 というお笑いコンビの一員です。

この5年生のクラスにも、

「知ってる!」と声をあげた児童もいました。

文章だけでなく、画もリリーさんが

描かれたようですが、

カラフルなイラストタッチの

かわいい画ですよね。

やや版が小さい絵本なのですが、

背景等は省略されたシンプルな図柄

ですので、

読みきかせでも、

比較的、見やすいのではないかと思います。


一転、

『さるが いっぴき』は、

MAYA MAXX さんの画は、

水墨画のようなモノトーンの世界。

力強くて、躍動感があります。


文章は、

さるは さがす

たべる

みつけた

等、ごく短いので、

あっという間に読み終えられます。


表紙の

さるが いっぴき に呼応した

ラストシーンは、

とても印象的で、

私の好きな絵本です。

子どもたちにも

気に入ってもらえたらうれしいのですが…