8月16日の合格決起集会から早くも一月が経ちます。本試験も終わり,調査士受験界は「強者どもが夢の跡」といったムードでしょうか。いや,もう来年のためにスタートしているという強者どもも多いはず。9月も半ばになったので,来年に向けて始動すべきだと思います。
合格決起集会当日,受講生に気合いを入れ,集会を終えた私は,レイトショーを見に新宿へ移動。そう,歌舞伎町でいいのやっているんですよ。ナイスバディの踊り子さんがすごいのよって,ちがいます,ちがいます,そっちのショーではなくて,映画のレイトショー。「HACHI 約束の犬」を見ました。特別犬が好きというわけではないのだけど,CMで感動している客を見て,私もその感動を味わって,清き心になってみたいものだと見に行ったわけであります。犬の映画だけにワンワン泣けるのかとも思いながら・・・。
日本生まれの秋田犬ハチは,アメリカへ運ばれ,ある駅で迷子になってしまいます。そのハチを拾ったのがリチャード・ギア演じる大学教授。そして,教授が出勤するときは駅まで見送りに,帰ってくる頃には駅でお出迎えと,けなげなハチと教授の日常が描かれます。きっと,このハチの姿は,犬好きにはたまらないのでしょうね。私もほほえましく見ておりましたが,私の涙腺がゆるくなることはありません。その後,教授が突然死んでしまい,ハチは帰らぬ主人を駅で待つようになるのですが・・・,いっこうに私の涙腺はゆるみません。正直,眠気との戦いで,あくびによる涙は出たのですが・・・。CMでワンワン泣いていた女の子はいったい何に感動したのだろう。不思議です。
ハチつながりで蜂の話を。最近,私の住むマンションで黄色スズメバチに御注意の紙が貼られました。ベランダで洗濯物を干していると,廊下を掃除していた管理人さんから「金子さん,蜂に注意して下さい。」と一言。「ご心配いただきありがとうございます。」と返事。週に二回から三回は洗濯物を干している私を哀れんでいただいたのでしょうか。ハチではないけどクーンであります。
♪ぶんぶんぶん蜂が飛ぶ。お池の周りにお花(正しくは「野バラ」のようですが)が咲いたよ,ぶんぶんぶん蜂が飛ぶ♪
いきなり歌ってしまいましたが,皆さんも御存知の童謡です。ここ数年,講義の中で,好んでこの童謡の替え歌を口ずさんでいます。
♪ぶんぶんぶん消滅承諾書♪
♪ぶんぶんぶん(イ)(ロ)(ハ)です♪
などと時々歌っています。
♪ぶんぶんぶん消滅承諾書♪
消滅承諾書は表示に関する登記の申請情報と併せて提供しなければならない情報(添付情報)の一つですが,すべての表示に関する登記の添付情報となるわけではありません。
関連過去問H18-12・ウ
甲建物については所有権の登記以外の権利に関する登記はないが,乙建物については抵当権の設定の登記があるときは,当該抵当権の登記名義人が抵当権を消滅させることを承諾したことを証する情報を添付すれば,甲建物と乙建物との建物の合併の登記を申請することができる。→誤(合併の登記では消滅承諾書は添付情報とされていない)
関連過去問H19-10・オ
甲地と乙地にそれぞれ異なる抵当権が設定されている場合において,各々の抵当権者が作成した抵当権の消滅承諾書を添付したときは,甲地及び乙地について合筆の登記を申請することができる。→誤(合筆の登記では消滅承諾書は添付情報とされていない)
ここでの「ぶんぶんぶん」とは分筆,分割,区分の登記であって,「この三つの表示に関する登記については,消滅承諾書が添付情報の一つとなる」ことを受講生にやさしく歌って覚えきかせるのであります。
ちなみに消滅承諾情報が添付情報となる表示に関する登記は,次のとおりです。
・分筆の登記(40)
・分割の登記(54Ⅲ)
・区分の登記(54Ⅲ)
・合体による登記等(50)
・分離処分可能規約の設定等により敷地権が敷地権でない権利となったことによる敷地権の消滅を原因とする建物の表題部に関する変更の登記(規124Ⅲ)
・敷地権として登記された権利が敷地権でなかったことによる敷地権の不存在を原因とする建物の表題部に関する更正の登記(規126Ⅲ・124Ⅲ)
・敷地権付き区分建物の合体により当該建物が敷地権のない建物となる場合における合体による登記等(規120Ⅶ・124Ⅲ)
・敷地権付き区分建物の合併により当該建物が敷地権のない建物となる場合における合併の登記(規134Ⅲ・124Ⅲ)
・敷地権付き区分建物の滅失の登記(規145Ⅰ・124Ⅲ)
上記の登記を申請する不動産に他人様の権利に関する登記があるときは,消滅承諾情報の要否を検討すべきことをお忘れなく。
♪ぶんぶんぶん(イ)(ロ)(ハ)です♪
分筆の登記の申請においては,地積測量図に付した(イ)(ロ)(ハ)の符号を申請情報の内容としなければなりません(規34Ⅰ②)。また,分割の登記又は区分の登記の申請においても,建物図面及び各階平面図に付した(イ)(ロ)(ハ)の符号を申請情報の内容としなければなりません(同Ⅰ③)。
ここでの「ぶんぶんぶん」も,分筆,分割,区分の登記であって,「(イ)(ロ)(ハ)の符号を申請情報の内容としなければならない表示に関する登記はこの三つ以外にはない」ことを強調するために,受講生にやさしく歌って覚えきかせるのであります。
昨年の講義。「Tさん,(イ)(ロ)(ハ)の符号を申請情報の内容としなければならない表示に関する登記は?」と質問すると,「ん~」と悩むTさんに,「ぶんぶんぶんだよ」と助け船。「はい,分筆,分割,分棟です。」
が~ん!歌の効果はイマイチかもしれません。♪ぶんぶんぶん(イ)(ロ)(ハ)です♪ いいと思うんですけど。
ハチ,お次に蜂と来て,最後は皆さんの気になる数字8で締めましょう。
狭き門,調査士試験の近年の合格率8パーセント(=合格者/出願者のうち実際に受験した者)。
ハチは教授を待ち,受験生は8を待つ。
発表までには,何回か夢を見るものです。合格した夢,合格できなかった夢,私も,発表までに各一回は見たと思います。ハチの願いは叶えられませんでしたが,皆さんの願いは叶えられるといいですね。来たれ合格!