あの子…
絶対俺のこと見てるよな。
昨日も来てたし。
その、少し前も。
隣にいる二年生の子と仲良さそうにしゃべってるから、後輩、かな。
小柄で、華奢で、結構かわいい顔をしている。
髪の毛は、縮毛矯正だろうか。
肩につくくらいのセミロングは、ツヤツヤサラサラだ。
もし、あれで何もしてない地毛だったら、やばいな。
気になって見ていたら、ぱち、っと目が合った気がした。
照れ臭そうにすぐに逸らす姿が愛らしい。
「北人!」
チームメイトから呼ばれて、急いで振り向く。
「もう一本、行こうぜ!」
バスケットボールが俺のもとに勢いよく飛び込んでくる。
するとすぐに思考は切り替わる。
見えるのは、先にあるゴールだけ。
ドリブルをしながら、一人、二人、とディフェンスを交わしていく。
右足で踏み込み、ジャンプシュートを決めた。
パサ、と気持ちのいい音がして、ボールはネットの中に吸い込まれた。
「よっしゃぁ!」
と周りから声が聞こえて、チームメイトが駆け寄ってくる。
ハイタッチを交わして、さっきの女の子の方を見た。
隣の子と一緒に、嬉しそうに喜びながら、拍手をしている。
やっぱり、俺のこと、好きなの、かな。
いつの間にか、意識をしているのは俺の方だ。
かっこいいところを見せたくて、張り切ってしまう。
だって、やっぱりかわいい女の子には、モテたいから。
…
北ちゃん編、でした🥰
北ちゃんには生々しい欲望より、イケメン先輩でいて欲しい、という私の願い。
でも、単純明快な分かりやすい男子、ということで
このシリーズオモロイです