「京大で行われるコンサートのチケットが手に入ったので、聴きにいきませんか?」と京都在住のラン友さんから誘われたので、京都大学吉田キャンパスまで出かけていきました。
「クロックタワーコンサート」と名付けられた演奏会の会場は、京大のシンボル時計塔の中にあるホールです。正式には、「京都大学百周年時計台記念館 百周年記念ホール」というそうですが、私の様な世代には。受験雑誌「螢雪時代」(←古っ!笑)の表紙を飾っていた時計塔という方が馴染みがあります。
5月18日土曜日、コンサートの開演は午後だったので、それまで大学の周辺をぶらぶら。ちょうどいい機会のなので、白川通との交差点近くにあるパン屋さん「ぱんや松」に寄ってみました。
ここには「大文字パン」という大文字山の形をした名物パンがありますが、数量が少ない(1日限定8個?)ためになかなか手に入らず、今回は予約をしていきました。こんな感じで、小豆と抹茶が入ったブリオッシュで、家に持ち帰って食べましたが、美味しかったです。
時計塔に着いたのが13時過ぎで開場まで時間があるので、館内にある歴史展示室で時間潰し。旧制三高からの歴史がコンパクトにまとめられていました。
ラン友さんとの待ち合わせは13:30でしたが、14時の開場30分前にも関わらず、すでに行列ができていました。なんでもチケットは抽選だったそうです。
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14時過ぎに入場。思ったより明るく綺麗なホールは平成になってから耐震改修をされたそうです。500人ほどが収容できるようで、ガラス張りのバックステージからは外庭の新緑が目に入ってきます。
15時開演。京大のホールで行われますが、演奏するのは京都市立芸術大学(あの佐渡裕さんの母校)のオーケストラです。解説によると、20年前から二つの大学がコラボして、こんな趣向のコンサートが行われているそうです。
今年のテーマは
「『1番』で辿る交響曲の変遷」
ということで、有名作曲家の最初の交響曲を中心に演奏するプログラムでした。演奏の間には指揮者による簡単な解説付きです。
1. ハイドン「交響曲第1番 ニ長調」
「交響曲の父」といわれ、生涯に108もの交響曲を書いたハイドンが、最初に作曲したもの。この頃はまだ指揮者という存在が確立していなくて、今回も大学教官がチェンバロを弾きながら指揮をするというスタイルでした。
2. ベートーヴェン「交響曲第1番 ハ長調」
まだハイドンやモーツァルトの影響が残る曲ですが、ところどころにベートーヴェンらしさも感じられる曲。指揮専攻の2回生が指揮していました。
3. モーツァルト オペラ「魔笛」序曲
彼が最後に書いたオペラの序曲です。これは指揮専攻の4回生が指揮。
4. ビゼー「交響曲 ハ長調」
「カルメン」などのオペラで有名なビゼーが、唯一残した交響曲なので、番号はついていません。なんでも17歳の時に作曲した作品だそうですが、そんなことは微塵も感じさせない、しっかりとした構成の交響曲でした。同じ世代の学生たちは、どんな気持ちで演奏したんでしょうね。これも学生指揮でした。
肝心の芸大オケの演奏ですが、音楽演奏用のホールでないため、クリアに音が聞こえてきませんでした。おまけに背面がガラスということもあり、音がちゃんと客席まで響かず、ぼやけた感じだったのが残念。
学生の指揮者は基本に忠実な振りで、わかりやすい指揮でした。もう少し個性があってもよかったと思いますが、これは無難にまとめる日本の音楽教育の影響でしょうね。
約2時間にわたるコンサートが終了。まだ明るい時間だったので、阪急の河原町駅までのんびり散歩がてら歩いて帰りました。鴨川沿いには川床が出て、賑わっていました。
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追記
京都大学の時計塔といえば、関西を代表する有名な近代建築家武田五一が設計した建物としても有名ですね。(←京都検定ネタ)彼は一時期、京都帝国大学の建築学科の教授も勤めていたそうです。
館内をよく見ると、そこかしこに特徴のあるデザインの窓や柱、照明などを見ることができます。